地震や火事などの緊急時に頭を守ってくれる防災用のヘルメットは、備えておきたい防災グッズのひとつです。プラスチック製がほとんどで、熱に強いFRP樹脂や衝撃に強いPC樹脂など、素材の特性によって対応できるシーンが違います。耐用年数や、備わっている機能もさまざまです。
たくさんの種類があるなかでどれを選べばよいか、迷ってしまいますよね。そこで今回は防災用ヘルメットの選び方とおすすめ人気ランキング9選をご紹介します。子供でも使いやすいものや、置き場所に困らない折りたたみ式なども登場しますので、ぜひ参考になさってください。
防災用ヘルメットは必要か?
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地震や台風、火災などの災害に備えてたくさんの防災バッグが販売されていますが、水や食料、簡易トイレなど便利なものが入っているものの、ヘルメットが入っているものはほとんどありません。バスタオルや毛布などで頭部を守ればヘルメットは不要でしょうか?
地震や台風の際には倒壊した建物の下敷きになったり、がれきや石の飛来が起こったりします。切れた電線で頭部が感電したり、火災が起こって熱に晒されると非常に危険です。その場合、しっかり頭部を守ることが命を守ることに繋がります。
衝撃や熱から頭部を守るためには、ぜひ防災用のヘルメットを用意しましょう。ビビッドな色なら災害現場でも見つけやすく、子供用は好みの色を備えれば非常時の不安が軽減されます。被災後の復旧作業時にも危険が多いので、防災用ヘルメットの着用がおすすめです。
防災用ヘルメットの選び方
それでは、防災用ヘルメットの選び方を解説します。まずは「国家検定合格品」であることが大切です。そのほか、備えに合った「素材」「耐用年数」、折りたたみ式やライナー付きのような「機能」についてご紹介します。
国家検定合格品であることが第一条件!
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防災用としてヘルメットを購入する場合は、厚生労働省が定める「保護帽」の規格に合格したものを選ぶのが第一条件です。保護帽の規格に合格したヘルメットは、採石や造林、コンクリート工作物の解体・破壊の作業のような、危険な状況で使用されています。
安全性が高く特におすすめなのが「飛来・落下物用」と「墜落時保護用」両方に合格したものですが、居住地の状況によっては「飛来・落下物用」だけでも充分です。電線が多い地域では「電気用」に合格したものを選べば感電の危険から身を守れます。
通販サイトでは「国家検定合格品」として、どの検定に合格しているかまで明記されているものを選びましょう。合格したヘルメットには「労・検」マークが付いてるので、店頭などで直接手に取れる場合はぜひチェックしてください。
備えに合った素材で選ぶ
防災用ヘルメットの素材には主にFRP樹脂・ABS樹脂・PC樹脂・PE樹脂の4つが使われています。それぞれ特性が異なっていますので、詳しく解説します。
熱に強く劣化しにくい「FRP製
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FRP樹脂は、プラスチックの中に繊維を入れ、強度を上げた樹脂です。耐熱温度は150℃~180℃です。熱によって硬くなるという特性があるので、地震の後に火災が起こっても対応することができます。耐電性がないので、電線が多い地域や建物では注意が必要です。
気温や太陽光による変質にも強く、劣化しにくいのも特徴です。FPR樹脂の耐用年数は5年といわれています。耐用年数の長いものがよい場合や、火事にも備えたい場合におすすめの素材です。
耐電性があり、種類が多い「ABS樹脂製」
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ABS樹脂は、加工しやすく見た目も美しい仕上がりになります。スーツケースのような日用品や電化製品、自動車用部品などに使われる素材です。防災用ヘルメットの素材としてもよく使われており、キャップ型や折りたたみ式などたくさんの種類があります。
耐熱温度70℃~100℃ほどなので、高温の場所には向きません。一方で耐電性に優れており「電気用」の規格をクリアしたものもあります。電線が多い地域や建物など、頭部感電の恐れがある場所に備えるのにぴったりです。耐衝撃用のライナー付きなら更に安心です。
耐衝撃性抜群の「PC樹脂製」
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PC樹脂は、防弾材料に使用されるほど衝撃に強い素材です。耐熱温度120℃~130℃で、火が付いても燃え広がらないという特徴(自己消火性)があります。耐電性も抜群で電気作業用のヘルメットによく用いられています。
頑丈なので、転倒しやすい高齢者用や、高い建物が多い場所での避難用として備えるのにおすすめです。価格は高価なものが多いので、安全性と価格を考え、予算に合ったものを選びましょう。
耐電性に優れ、薬品にも強い「PE樹脂製」
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PE樹脂は、耐電性に優れ、アルカリ性の溶剤に強い素材で、電気作業や油・薬品作業のヘルメットの素材として用いられます。耐熱温度は70℃~100℃なので、火災に備えるのには不向きです。
「飛来・落下物用」の国家検定をクリアしたものはもちろん、衝撃吸収用のライナー付きなら「墜落時保護用」もクリアしたものもあるので、地震への備えには向いています。リーズナブルなものが多いので、コストを抑えて備えたい方や多数備えたい方におすすめです。
耐用年数を確認しよう!
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防災用ヘルメットは、耐用年数が長いものがおすすめです。帽体の素材によって違いがあり、最も長いのはFRP製で5年、ABS樹脂・PE樹脂・PC樹脂は3年です。なかには6年のものもあります。
プラスチックは経年劣化しやすい素材なので、年に一度は状態をチェックしましょう。9月1日の「防災の日」に防災グッズと一緒にチェックする、というように、習慣にしておくと異常に気づくことができます。傷がある場合は耐久性が著しく低下しているので、使用できません。
あごひもやヘッドバンド、ライナーなど、着装品の傷みがないか確認することも大切です。帽体と、ライナーやヘッドバンドのような内装品では耐用年数が異なる場合もあります。それぞれの耐用年数を確認しておきましょう。
機能で選ぶ
防災用ヘルメットを選ぶ際は、こまかい機能もチェックしてみましょう。あごひも・ヘッドバンド付き、ライナー付き、ライト・ホイッスル付き・折りたたみ式をご紹介します。
フィット感がアップする「あごひも・ヘッドバンド付き」
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移動中や作業中にヘルメットがずれたり外れたりしてしまうと、大きなケガに繋がる可能性があります。ヘルメットの頭囲は、10cmほど、またはそれ以上対応幅があるので、しっかりフィットするように、あごひもとヘッドバンドで調節できるものを選びましょう。
あごひもは、細いひもより太いひもの方がずれにくく、安定感があります。押しボタン式や絞りひものように着脱や調節がしやすいものを選べば、万が一狭いところに頭部が挟まっても脱いで脱出できます。子供が使う場合は、着脱の仕方を練習してくと安心です。
ヘッドバンドは、ヘルメット内部に付いています。頭の後ろからしっかり固定できるので、フィット感をアップさせるのに重要な部分です。ボタンを押してスライドさせるような、簡単に調節できるものがおすすめです。子供用は、年に一回はサイズの確認と調節をしておきましょう。
耐衝撃性アップの「ライナー付き」
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地震用として備えるなら、「飛来・落下物用」の国家検定をクリアしていることが必須ですが、高いビルは転落の危険、子供や高齢者は転倒の危険があります。転落や転倒に備えるなら「墜落時保護用」の国家検定クリアしていると更に安心です。
防災用のヘルメットには、衝撃吸収用のライナーが付いているタイプがあります。強い衝撃から守ってくれるので、「飛来・落下物用」と「墜落時保護用」両方をクリアしたヘルメットには、ほとんどにライナーが付いています。安全性にこだわるなら、ライナー付きを選びましょう。
ライナーの素材の多くは発泡スチロールです。長時間装着すると蒸れやすく、汚れたり、経年劣化で傷むこともあります。定期的に点検することが大切です。ヘルメットによっては交換用のライナーが販売されているものもあるので、異常があるときはすぐに交換しましょう。
「ライト・ホイッスル」など装備品が付けられると安心
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いつ起こるのか予測できないのが災害です。暗い時間帯の避難に備えるならライトを装着できるものがおすすめです。瓦礫の下敷きになってしまったり、恐怖で声が出せないという状況になるかもしれません。ホイッスルを装備すれば、音が通りやすいので、早期発見に繋がります。
目を守るアイシールドや顔全体を守るフェイスシールド、火災が起こったときに首まわりを守る防炎ガードなどもあります。ヘルメットに備え付けられているもの、オプション品として販売されているものがありますので、必要に応じて備えておくと安心です。
置き場所に困らない「折りたたみ式」
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ヘルメットは幅や高さがある分、備えておくには置き場所をとってしまいます。家族全員分を同じ場所に備えたい場合や、学校やオフィスなどで大量に備えたい場合は、折りたたみ式のヘルメットがおすすめです。専用ボックスや袋に入れて、本棚や引き出しに収納できます。
折りたたみ式を購入するときは、組み立て方をチェックしましょう。被ってサイドを引き下ろすだけのものや、ひもを引くだけで組み立てられるものなど、メーカーこだわりの簡単組み立てのものが多数販売されています。すぐに装着できるよう、練習しておきましょう。
折りたたみ式を選ぶときも、安全性が高いものを選ぶことが大切です。コンパクトに収納できるタイプでも、ライナー付きで「飛来・落下物用」「墜落時保護用」両方の国家検定をクリアしたものがあります。携帯性と安全性をチェックし、使いやすいものを選びましょう。
防災用ヘルメットのおすすめ人気ランキング9選
ここからは、防災用ヘルメットのおすすめ商品を9点ご紹介します。通販サイトの人気ランキングから選定しています。折りたたみ式や子供用、色のラインナップが豊富なものなどが登場しますので、ぜひ参考になさってください。
1位 DICプラスチック 折りたたみヘルメット IZANO2 AA21-Y KP
サイズ調節可能で、子供から大人まで使える!
置き場所に困らない折りたたみ式のヘルメットです。専用の収納袋に入れれば掛けておくこともできます。手で上に押し上げるだけの簡単組み立てで、いざというときに瞬時に被れて便利です。ヘッドバンドで頭囲を47~62cmに調節でき、子どもから大人まで使えます。
衝撃吸収用のライナーが付いており「墜落時保護用」と「飛来・落下物用」両方の国家検定をクリアしています。ライナーやあごひもなどの内装品は交換可能です。頭部をしっかり衝撃から守りたい方や、家族で同じものを備えておきたい方におすすめです。
2位 防災防犯ダイレクト 折りたたみ防災用ヘルメット オサメット 反射材付き
反射材付き!A4サイズにたためて収納も便利
「かぶるだけで機能する」ことを重視したジャバラ式の折りたたみヘルメットです。被った状態で両サイドを握って下げるだけで、簡単に組み立てられます。危険が迫ったときにすぐ頭を守ることができるので安心です。「飛来・落下物用」の国家検定をクリアしています。
折りたたむとA4サイズ・幅4.5cmとスリムになり、収納に便利です。専用箱に入っているので、そのまま本棚やデスクの引き出しに収納したり、掛けておくこともできます。夜間の避難に活躍する反射材付きです。家庭やオフィス、学校で複数個備えておくのにおすすめです。
3位 ミドリ安全 折りたたみ防災ヘルメット Flatmet2 TSC-10N
耐用年数6年!折りたたみ式で備えやすい
帽体に熱に強く軽いPP(ポリプロピレン)を使用しており、「飛来・落下物用」の国家検定をクリアしています。折りたたむと3.3cmになるのでオフィスのデスクに入れても圧迫感がなく、本棚や玄関など、家庭でも置き場所を選びません。
組み立ても簡単で、ロックを解除して両端を押すだけでヘルメットの形になります。被ってヘッドバンドを引いて頭に合わせ、あごひもを閉めれば装着完了です。折りたたみボタンを押せばワンタッチでたためます。耐用年数6年なので、長く備えられるものをお探しの方におすすめです。
4位 加賀産業 防災ヘルメット KGBo-1
リーズナブルながら、国家検定クリアで安心!
「飛来・落下物用」と「電気用」の国家検定をクリアしながら、リーズナブルな価格が嬉しいヘルメットです。雨の日でも視界が遮られないよう、雨だれ防止用の溝が付いています。深く被れる形状でフィット感があり、330gと軽いので、首や肩への負担が軽いのもポイントです。
ヘッドバンドはボタンを押しながらスライドさせる仕組みで、片手で簡単に調節できます。ヘッドバンド部分と本体部分の隙間から束ねた髪を出せるので、性別・髪型問わず使えます。コストを抑えながらしっかり備えたい方におすすめです。
5位 谷沢製作所 製前ひさし型ヘルメット 0169EZ
発泡ライナー付きで耐衝撃性アップ!
ヘルメット内部に発泡ライナーがついており、強い衝撃からも頭を守ります。ABS製で耐電性があり、「飛来・落下物用」と「墜落時保護用」、「電気用」の国家検定をクリアしています。リーズナブルながら安全性の高いヘルメットです。
ひさし部分と帽体の周辺には溝が施されており、雨だれを防止するだけでなく、側面からの圧力にも強い構造になっています。上部からだけでなく、前後左右しっかり保護できるものをお探しの方におすすめです。
6位 加賀産業 オサメット ジュニア KGOJR-1
使いやすさにこだわった子供用
頭に乗せてサイドを引っ張ればすぐにヘルメット型にすることができる「オサメット」の子供用サイズです。50cmから56cmの頭囲に対応しています。衝撃吸収力をアップする発泡ライナー付きで国家検定の「飛来・落下物用」に合格しているので安心です。
大人用と同様、A4サイズにまとまるのでランドセルに入れることもできます。学校でもロッカーや机まわりに収納しやすいタイプです。白のほか、ビビッドな色で目立つオレンジとブルーがあり、好みに合わせて選べます。子供のサイズにぴったりのものをお探しの方におすすめです。
7位 トーヨーセフティー TOYO 防災用折りたたみヘルメット ブルーム No.100
紐を引くだけでヘルメットに!
折りたたみ式には珍しい丸みをおびた形状のヘルメットです。「BLOOM」の名の通り、後頭部の紐を水平に引っ張るだけで花が開くように丸くなり、あっという間に組み立て完了です。PEより硬いPP(ポリエチレン)も使用され、「飛来・落下物用」の検定に合格しています。
カラーはホワイト・グレー・オレンジ・ライムの4色です。学校やオフィスで色違いで備えれば、避難グループや緊急時の役割などで色分けすることができます。折りたたみ式でビビッドな色のものをお探しの方や、色違いで複数備えておきたい方におすすめです。
8位 加賀産業 KAGA ヘルメット FNII-1
耐電性ありで、カラーも充実
黄色や緑など10色のカラー展開があります。防災用として備えるには、明るく目立つ色合いのものがぴったりです。「飛来・落下物用」と「電気」の国家検定に合格しているので、電線が多い地域での避難時や、災害後の復旧作業時も安心です。
ヘッドバンドはワンタッチ調節なので、緊急時も慌てず対応できます。目を守るアイシールドや、衝撃吸収用のライナーも販売されています。「墜落時保護用」の規格も満たしたい場合は、ライナーを購入しましょう。シンプルで使いやすいものをお探しの方におすすめです。
9位 トーヨーセフティー 作業・防災用 折りたたみヘルメット MOVO
丸い形状が安心感をうむ、折りたたみヘルメット
コンパクトに折りたたむため、帽体部分が3分割構造になっています。折りたたみ時は頭頂部がへこんだ形状に見えますが、頭頂部を立ち上げ、180度ひっくり返すとヘルメット型になります。いつでもさっと使えるよう、組み立て方を練習しておきましょう。
一般のヘルメットと変わらない丸い形状でデザイン性が高く、安心感があります。色はビビッドなオレンジやロイヤルブルーなど6色展開です。発泡ライナーつきで「飛来・落下物用」と「墜落時保護用」の国家検定をクリアしています。デザイン性と安全性を求める方におすすめです。
まとめ
防災用ヘルメットは、国家検定に合格していることが第一条件です。次に、居住地の状況や使う人を考慮し、備えに合った素材や機能のものを選びましょう。耐用年数を確認し、帽体や装着品に異常がないか定期的にチェックすることも大切です。
衝撃や熱から頭部を守る防災用のヘルメットは、避難時だけでなく被災後の復旧作業でも必須です。ぜひ本記事を参考にぴったりの防災用ヘルメットを見つけて、もしもの時の備えてくださいね。