不動産売却で注意すべきポイントとは?やってはいけないことも解説

不動産売却で注意すべきポイント

不動産売却を成功させるためには、事前に念入りの準備が必要です。

ただ、不動産売却にあたっては、不動産会社に依頼したり、売主と買主との間で重要な契約を交わしたりなど、様々な対応に不安を感じる方もいるでしょう。

そこで、この記事では、不動産売却で注意すべきポイントを、不動産の売却前、売却時、売却後にわけてわかりやすく解説します。

やってはいけないことも紹介しているので、初心者の方もぜひ参考にしてみてくださいね。

当メディアは、不動産取引に関する法律を遵守し、株式会社ピアラ(東京証券取引所スタンダード 証券コード7044)が運営しています。また、宅地建物取引士の資格を有する専門家が監修のもと、不動産競売物件不動産所得不動産登記法などの最新情報も記事内に反映させています。

目次

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不動産を売却する際の流れ

不動産を売却する方法は、「仲介」と「買取」の2種類あります。

それぞれの説明とメリット・デメリット、おすすめな人は次の通りです。

仲介買取
説明不動産会社に買い手を探してもらうために媒介契約を結び、仲介してもらう方法不動産会社に直接物件を買ってもらう方法
メリット高く売却できる
不動産会社は法定上限金額の仲介手数料がもらえるため、積極的な営業活動を行う
売却期間が短い
広告等で広く知られることがないため、秘匿性が高い
不動産一括査定サイトを利用することで、各社で買取額を競い合い、高く売れる可能性が高まる
仲介手数料は発生しない
デメリット売却期間が長い
必ずしも査定額で売却できるとは限らない
仲介手数料が発生する
売却額が仲介による売却査定より7~8割安くなる
おすすめな人とにかく高く売却したい人とにかく早く確実に売却したい人
参照元:いえかつLIFE|公式サイト
仲介手数料とは
  • 不動産の取引をした際に、仲介してもらった不動産会社に対して支払う報酬のこと
  • 仲介手数料は、法律で不動産売買価格に応じて上限が定められている
  • 仲介手数料は売買価格に占める割合で決まっており、物件価格が高額だと仲介手数料も高くなる
不動産売買価格仲介手数料の上限額
200万円以下売買価格×5%+消費税
200万円~400万円以下(売買価格×4%+2万円)+消費税
400万円超(売買価格×3%+6万円)+消費税
参照元:公益社団法人全日本不動産協会 埼玉県本部|不動産売買の仲介手数料はいくら必要?計算方法や値引き交渉の可否などを徹底解説!

ここでは、不動産を売却する際の流れについて解説します。

  1. 相場の確認を行う
  2. 一括査定を依頼する
  3. 物件調査を行う
  4. 媒介契約を締結する
  5. 売却活動を始める
  6. 売買契約を結ぶ
  7. 引き渡しをする

買取を選択する場合は媒介契約を締結する代わりに、取引を行いたい不動産会社を選びます。

相場の確認を行う

不動産を売却する際は、不動産の相場を確認しておきましょう。

おおまかな不動産相場を知っておくと、「相場よりも安く売却してしまった…」といった事態を防げます。

不動産の相場を調べるためには、レインズマーケットインフォメーション土地総合情報システムのサイトを利用するのがおすすめです。

レインズマーケットインフォメーション(REINS Market Information)とは
  • 国土交通大臣が指定している「不動産流通機構」が運営・管理している不動産総合サイト
  • 不動産種別や都道府県など、売却したい不動産と近い条件を指定することで、取引事例の情報を確認できる
  • 売却価格はもちろん、取引された不動産の面積や築年数、成約したタイミングなどが知れる
土地総合情報システムとは
  • 国土交通省が管轄している不動産総合サイト
  • 売却したい不動産と近い条件を指定することで、取引事例の情報を確認できる
  • 不動産の取引価格や地価公示、都道府県の地価調査に関する価格などが知れる

客観的な視点で適正な相場を確認するのに役立つので、ぜひ活用してみましょう。

一括査定を依頼する

複数の不動産会社に一括査定依頼をしましょう。

その際に便利なのが、不動産一括査定サイトです。

不動産一括査定とは、インターネットを通して売却したい物件や土地の情報、個人情報を入力することで、複数の不動産会社を自動的に紹介してくれるシステムです。

一括査定サイトを利用すると、複数の不動産会社の査定結果からおおよその相場がわかります。

おすすめの一括査定サイトは次の通りです。

SUUMO一括査定LIFULL HOME’SすまいValueイエウールイエイリビンマッチ
運営会社株式会社リクルート株式会社LIFULL小田急不動産株式会社
住友不動産販売株式会社
東急リバブル株式会社
野村不動産ソリューションズ株式会社
三井不動産リアルティ株式会社
三菱地所ハウスネット株式会社
株式会社Speee株式会社じげんリビン・テクノロジーズ株式会社
設立年2009年1997年2016年2007年2008年2004年
利用者
(推定)
非公開1,000万人以上77万件以上年間20万件以上300万人以上440万人以上
提携している不動産会社数2,000社以上4,556社大手6社(875店舗)2,300社以上厳選1,000社約1,700社
同時査定依頼可能会社数最大10社10社6社6社6社6社
匿名査定の有無無し有り無し無し無し無し
対応エリア全国全国全国(都市部中心)全国全国全国
査定に対応する不動産の種類マンション
一戸建て
土地
一戸建て
マンション
土地投資用(一棟物件)
投資用(区分所有)
倉庫
工場
マンション
一戸建て
土地
一棟マンション
一棟ビル
一棟アパート
戸建て
マンション
土地
投資物件
店舗
工場
倉庫
農地
分譲マンション
一戸建て
土地
ビル一室
一棟マンション
一棟アパート
一棟ビル
工場
倉庫
店舗
事務所
農地

田んぼ
山林
分譲マンション
一戸建て
土地
一棟アパート
一棟マンション
投資マンション(1R・1K)
一棟ビル
区分所有ビル(ビル1室)
店舗
工場
倉庫
農地
特徴掲載物件数がトップクラスのSUUMO上に物件情報を掲載できる同時査定社数が10社と多い大手不動産会社6社に査定依頼ができる不動産会社数No.1
月間利用者数No.1
査定対応エリア数No.1
(参照元:イエウール公式サイト
アンケートの回答で、最大10万円分のAmazonギフトカードがもらえる不動産査定サイト認知度No.1
使ってみたい不動産査定サイトNo.1
(参照元:リビンマッチ公式サイト

一見、不動産一括査定サイトは手間をかけずに複数の不動産会社に一度に査定ができるため便利です。

ただ、以下のようにいくつかの注意点があります。

  • 査定価格が高すぎると売れなくなる
  • 1つの一括査定サイトのみでは情報が足りない
  • しつこく電話がかかってくる

1つのサイトだけに絞ってしまうと情報に偏りが出てしまいます。

情報のばらつきをなくすためにも、先ほど紹介したサイトを複数利用することで、相性の良い不動産会社が見つけやすいです。

物件調査を行う

一括査定して不動産会社から連絡が来ると、物件調査を行う流れになります。

物件調査では、不動産の査定が行われます。

査定には簡易査定と訪問査定の2種類あり、それぞれの説明とおすすめな人は次の通りです。

説明おすすめな人
簡易査定
(机上査定)
物件に関するデータを基に査定価格を算出する査定方法
すぐに価格を知れるが、概算によって算出するため、訪問査定に比べて正確さは劣る
立地・面積・間取り・築年数といった物件情報が中心であり、土地・建物の周辺環境や状態などは考慮されない
一早くおおよその売却価格を知りたい人
売却を検討しようか悩んでいる人
訪問査定不動産会社の担当者が現地を訪問して査定価格を算出する査定方法
データだけではわからない様々なポイントを目で判断する
簡易査定(机上査定)より正確な価格を知れるが、時間がかかる建物の状況(リフォームの状況や設備の劣化具合など)や周辺の環境(前面道路や眺望など)といった物件の個別事情を反映した価格を算出できる
じっくりとより正確な売却価格を知りたい人
売却しようと決意した人

査定方法を選ぶ際は、上記の特徴とおすすめな人を比較した上で、不動産売却の本気度で選ぶと良いでしょう。

なお、必ずしも査定価格の高い不動産会社が良いとは限りません。

査定価格が高すぎる余り、売れ残ってしまう可能性が高いです。

査定価格はあくまでも目安であり、そこから購入者からの値下げや周囲の状況などにより、売却価格は変動します。

ただ、不動産売却になると売却益が多額になるため、どうしても査定価格の高い不動産会社を選びたくなる気持ちはわかります。

しかし、実際は不動産会社が買取するのではなく、不動産を購入するのは一般人がほとんどです。

そのため、査定価格が他よりも高い不動産会社は、必ずしも売れるわけではありません。

不動産会社を選ぶ基準として、査定価格が高いからといった理由で選ぶのではなく、自分の売りたい物件を得意としているかに着目してみましょう。

「マンションの売買に強い」「地方の取引実績が少ない」などといった各不動産会社の強みや弱みを分析しましょう。

そうすることで、相性の合った最適な不動産会社を見極められ、適正な価格で売却することが可能です。

媒介契約を締結する

仲介する不動産会社が決まったら、以下のような不動産媒介契約を締結します。

媒介契約とは
  • 不動産を売却するために、代わりに不動産会社が買い手を探すよう依頼する契約
  • 媒介契約には「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類がある

3つの媒介契約の特徴

専属専任媒介契約専任媒介契約一般媒介契約
複数の不動産会社と契約できるか?できないできないできる
自分で買主を探して直接取引できるか?できないできるできる
不動産会社から受ける活動報告はどのくらいか?1週間に1回以上2週間に1回以上法令上の定めなし
不動産会社のレインズへの登録義務はあるか?ある場合、期限はいつまでか?媒介契約締結日の翌日から5日以内媒介契約日の翌日から7日以内法令上の定めなし
媒介契約の期間は?(規定されている法律・約款)3ヶ月以内(宅地建物取引業法)3ヶ月以内(宅地建物取引業法)3ヶ月以内(標準媒介契約約款)
参照元:レインズ REINS TOWER|媒介契約制度
レインズとは
  • 国土交通大臣から指定を受けた「不動産流通機構」によって運営されるコンピューターネットワークシステムのこと
  • 宅地建物取引業者だけが閲覧でき、売り手は、売却を依頼した物件の情報のみ確認できる
  • なお、レインズへ登録する期限における日数は、不動産会社およびレインズの休業日は除く

3つの媒介契約のメリット・デメリットとおすすめな人

専属専任媒介契約専任媒介契約一般媒介契約
メリット手厚いサポートやサービスを受けられる地元に顧客を抱えている
不動産会社に依頼することで、いち早く売却ができる
1社にのみ情報の開示が行われ、不特定多数に知られる心配がない
手厚いサポートやサービスを受けられる
1社にのみ情報の開示が行われ、不特定多数に知られる心配が少ない
自分でも買い手を探して直接取引ができる
何社とも契約できるため、いち早く売却ができる
自分でも買い手を探して直接取引ができる
デメリット1社にのみ情報の開示が行われるため、売却までの期間が長引きやすい
自分で直接買い手を探して取引ができない
1社にのみ情報の開示が行われるため、売却までの期間が長引きやすい各不動産会社がさまざまな広告を掲載するため、売却していることを知られやすい
複数の不動産会社と対応する必要があり、手間がかかる
おすすめな人不動産会社からの手厚いサポートやサービスを受けたい人
希望の価格で売却したい人
物件の売却をしていることを知られたくない人
不動産会社からの手厚いサポートやサービスを受けたい人
親戚や知り合いに物件を売却したい人
親戚や知り合いに物件を売却したい人
売却したい物件が好条件で人気物件である人
条件に関わらずいち早く物件を売却したい人

専属専任媒介契約と専任媒介契約は、不動産会社1社のみとしか媒介契約は結べませんが、その分買取保証やアフターケアなどといったサポートは充実しています。

そのため、他の業者から問い合わせがあった際、情報の開示を限定したり、注意事項を伝えてもらったりでき、不特定多数に知られる心配がありません。

ただし、不動産会社によっては、いつの間にか費用が上乗せされたり、物件の囲い込みにより高く売れるチャンスを逃したりする場合があるため注意しましょう。

また、専任媒介契約なら、買い手と直接交渉や取引ができるため、親戚や知り合いに買いたい人がいる場合におすすめです。

一方、一般媒介契約は、複数の不動産会社と契約ができ、自分でも買い手を探すことが可能です。

売却したい物件は売れやすい好条件が揃っており、人気のエリアに位置している場合に、一般媒介契約も検討するとよいでしょう。

ただし、複数の不動産会社と契約すると、対応が煩雑になり、手間がかかります。

それぞれのメリットとデメリット、おすすめな人を把握した上で、ご自身に合った媒介契約を選びましょう。

どうしても決められない場合は、不動産会社と相談するのも手です。

媒介契約は、3ヵ月ごとの更新のため、そのタイミングで契約内容を変更することもできます。

売却活動を始める

媒介契約を締結したら、本格的な売却活動が始まります。

この時、不動産会社が様々な方法を駆使して買い手を探してくれ、

具体的には、「不動産流通標準情報システム(レインズ)」やインターネットを通じて募集サイトに登録したり、チラシを配布して宣伝したり、様々な媒体を用いて買い手の募集を行う

締結した媒介契約の種類によっては、定期的に現状の活動報告についての連絡が入り、進捗状況を確認することが可能です。

売買契約を結ぶ

買い手が見つかると、宅地建物取引士による重要事項説明を受けます。

そして、買い手が条件を確認して合意に至ったら、売買契約を締結します。

その際、売買契約では、次のような書類や諸経費が必要です。

必要書類

  • 身分証明書
  • 実印
  • 印鑑証明書
  • 登記済証または登記識別情報

諸費用

  • 仲介手数料
  • 登記費用
  • 印紙税

あくまでも一例のため、ご自身の状況や買い手との条件交渉に合わせて、用意をしてください。

なお、売買契約は簡単に解除したり、内容を変更したりはできません。

契約の締結前に細かく条件交渉や確認を行うようにしましょう。

引き渡しをする

売買契約の締結を終えたら、引き渡しの手続きや公共料金の支払いを、引き渡し当日までに済ませておきましょう。

引き渡し当日に、物件を買い手に引き渡したら、売却は完了です。

また、物件を引き渡した年は、確定申告を行う必要があります。

確定申告の期間は、例年2月15日から3月16日までのため、その期間になったら忘れずにしておきましょう。

不動産を売却する前に知っておきたい7つの注意点

ここからは、不動産売却にあたり注意したいポイントを、不動産の売却前、売却時、売却後の3シーンと、やってはいけないことにわけて解説します。

売却前所有の土地・自宅の状況を調べる
売却相場を把握しておく
不動産売却時に発生する
費用を確認しておく
住宅ローンが残っている場合はオーバーローンに注意する
土地を賃貸している場合は入居者の同意が必要となる
古い物件を売却する場合は家財を撤去しておく
相続した土地を売却する場合は相続登記を行う
売却中複数の不動産会社に一括査定をする
契約書の条件や取引内容は必ず理解する
内覧の前に綺麗にしておく
売却後買主から受け取った手付金はすぐに使用しない
確定申告を行う
税金の申告・納付をする
やってはいけないことリフォームをする
囲い込みに遭いやすい不動産会社を多く選ぶ
説明義務を怠る
適当に媒介契約を締結する

それぞれのシーンによっては、注意すべきポイントが異なります。

まずこの章では、不動産売却前に気を付けたいポイントを紹介します。

  • 所有の土地・自宅の状況を調べる
  • 売却相場を把握しておく
  • 不動産売却時に発生する費用を確認しておく
  • 住宅ローンが残っている場合はオーバーローンに注意する
  • 土地を賃貸している場合は入居者の同意が必要となる
  • 古い物件を売却する場合は家財を撤去しておく
  • 相続した土地を売却する場合は相続登記を行う

不動産売却にあたって、まずは上記のような準備をしておくことが大事です。

所有の土地・自宅の状況を調べる

まずは、所有の土地・自宅の状況を正確に把握しましょう。

確認する項目として、次の通りです。

  • 築年数
  • 住宅構造(木造、鉄骨造など)
  • 間取り
  • リフォーム歴
  • ライフライン(電気、水道、ガスなど)
  • 建物の基礎や構造体の状態
  • 汚れ具合(壁などの傷や汚れ)
  • 法令上の制限(用途地域や接道義務など)
  • 道路や隣地との境界線
用途地域とは
  • 都市計画法に基づいて指定されるエリア
  • 住居、商業、工業など13種類に分類される
接道義務とは
  • 建築基準法で決まっている道路と敷地に関する規定のこと
  • 幅員4m以上の道路に2m以上敷地と接する必要がある
  • 接していないと再建築物件となり、売却しにくくなる

これらの情報を事前に調べて整理すると、不動産の現状を把握できます。

必要に応じて、不動産会社に相談しながら売却活動を進めましょう。

売却相場を把握しておく

不動産を売却する際は、売却相場を把握しておきましょう。

おおまかな不動産相場を知っておくと、「相場よりも安く売却してしまった…」といった事態を防げます。

不動産の相場を調べるためには、先ほどお伝えした通り、レインズマーケットインフォメーション不動産情報ライブラリのサイトを利用するのがおすすめです。

客観的な視点で適正な相場を確認するのに役立つので、ぜひ活用してみましょう。

不動産売却時に発生する費用を確認しておく

不動産売却には費用が発生することにも確認しておきましょう。

売却価格による利益がそのまま手取りとして入るとは限りません。

不動産売却には以下のような費用がかかります。

売主全員に共通して発生する費用

譲渡所得税

名称所有期間所有期間
短期譲渡所得税5年以下売却益×39.63%
長期譲渡所得税5年超売却益×20.315%
参照元: 国税庁|No.3211 短期譲渡所得の税額の計算国税庁|No.3208 長期譲渡所得の税額の計算
譲渡所得税とは
  • 不動産を売却して利益が出た場合に発生する税金のこと
  • 所得税・住民税・復興特別所得税を合わせた総称
  • なお、復興特別所得税は、平成25年から令和19年まで

印紙税

契約書の記載金額税額
1万円未満非課税
10万円以下200円
10万円を超え50万円以下のもの400円
50万円を超え100万円以下のもの1,000円
100万円を超え500万円以下のもの2,000円
500万円を超え1千万円以下のもの10,000円
1千万円を超え5千万円以下のもの20,000円
5千万円を超え1億円以下のもの60,000円
1億円を超え5億円以下のもの100,000円
5億円を超え10億円以下のもの200,000円
10億円を超え50億円以下のもの400,000円
50億円を超えるもの600,000円
金額の記載のないもの200円
参照元:国税庁|不動産売買契約書の印紙税の軽減措置
印紙税とは
  • 課税文書を発行する際にかかる税金
  • 不動産売買契約書や工事等の請負契約書などが挙げられる
  • 収入印紙を購入して該当書類に貼り付けると納税できる
  • 収入印紙は近くの郵便局や法務局で購入できるが、不動産会社が用意してくれる場合もある
  • コピーした文書は課税文書の対象にはならない(売買契約書は売主用と買主用の2通にかかるが、売主保管用としてコピーした文書にはかからない)

仲介手数料

不動産売買価格仲介手数料の上限額
200万円以下売買価格×5%+消費税
200万円~400万円以下(売買価格×4%+2万円)+消費税
400万円超(売買価格×3%+6万円)+消費税
参照元:公益社団法人全日本不動産協会 埼玉県本部|不動産売買の仲介手数料はいくら必要?計算方法や値引き交渉の可否などを徹底解説!

その他費用

項目金額(税込)
司法書士への手数料(※1)5万円〜10万円程度
抵当権抹消費用(※2)登録免許税:不動産1個につき1,000円
司法書士手数料:13,000円前後
住宅ローン返済手数料(※3)0.5万円〜3万円程度
※1 参照元:日本司法書士連合会|報酬アンケート結果
※2 参照元:法務省|抵当権の抹消登記に必要な書類と登録免許税
※3 参照元:三菱UFJ銀行|当行住宅ローンをご利用中のお客さま|繰上返済
司法書士とは
  • 不動産購入時や会社設立時における登記業務や、法務局や検察庁へ提出する書類作成業務などを担っている役職
  • 不動産売却において、所有権移転登記は個人で行えるが、司法書士に依頼するのが一般的
抵当権とは
  • 借主(住宅ローン利用者)が返済できなくなった場合、貸主(金融機関)が土地や建物を競売にかけて、弁済を受ける権利のこと
  • 原則、抵当権が設定されている不動産は売却できない
  • そのため、住宅ローン完済して抵当権を抹消する必要がある
  • また、前倒して住宅ローンを支払う繰上げ返済を一括で行う時に、住宅ローン返済手数料がかかる

場合によって発生する費用

ハウスクリーニング費用

広さ戸建の場合マンションの場合
1K/1DK2万~5万円
2LDK/3DK6万円〜10万円4万~9万円
3LDK/4DK7万円〜11万円6万~10万円
4LDK/5DK8万円~14万円7万~12万円
参照元:三井のリハウス|ハウスクリーニングの目安の料金相場を依頼条件から解説

その他費用

項目金額(税込)
測量費用(※1)20万円~90万円程度
解体費用(※2)木造:2万5000円〜5万円
坪鉄骨造:3万4000円〜5万円
坪鉄筋コンクリート造:4万円〜8万円/坪
書類の発行費用(住民票や筆界特定書など)1部200円〜600円
※1 参照元:解体窓口|測量費用の相場はいくら?費用の相場と内訳・節約方法まで紹介
※2 参照元:NPO法人【空家・空地管理センター】|空き家の解体費用

このように、不動産売却には様々な費用がかかる点に注意が必要です。

事前にどのくらい費用がかかるのか計算しておきましょう。

住宅ローンが残っている場合はオーバーローンに注意する

住宅ローンが残っている不動産を売却する場合は、先ほどお伝えした通り、残債の完済が必須です。

その時、オーバーローンの時は何らかの対処をする必要があります。

オーバーローンとは
  • 不動産売却において、住宅ローンの残債>売却価格の状態のこと
  • つまり、売却価格だけでは住宅ローンを完済ができない状態のこと
  • アンダーローンが理想的な売却
アンダーローンとは
  • 不動産売却において、住宅ローンの残債<売却価格の状態のこと
  • つまり、住宅ローンを完済しても利益が残る状態のこと

もし、オーバーローンの場合は、以下の対処法を試してみましょう。

  • 差額を自己資金でまかなう
  • 住み替えローンを利用する
  • 残債が少なくなるまで待つ

最もシンプルな対処法として、住宅ローン残債と売却価格の差額を自己資金でまかなう方法があります。

現在持っている預貯金や一時的に親族に借りるなどして、現金が用意できれば売却ができます。

また、住み替えローンを利用するのもおすすめです。

住み替えローンとは
  • 現在住んでいる家のローン残債に加えて、新しい家の購入資金も合わせて借入するローンのこと

さらに、残債が少なくなるまで売却を見送るのも一つの手です。

住宅ローンの返済を続けて、自己資金でまかなえる金額になったら、売却を検討すると良いでしょう。

土地を賃貸している場合は入居者の同意が必要となる

土地を賃貸している場合は、法的には売却できます

ただ、売却前に入居者の同意が必要です。

トラブルを防止するためにも、入居者の権利や意向に沿いながら、売却を進めるといった形になります。

入居者を強制的に退去させることはできません。

また、土地を賃貸している状態で売却する際、その旨を明示して不動産会社に売却を依頼します。

そのため、一般的な不動産よりも買主を探すのに時間がかかります。

古い物件を売却する場合は家財を撤去しておく

古い物件を売却する場合は、家財を撤去しておきましょう。

家財を撤去しておかないと、不動産会社や解体工事会社に依頼を断られる可能性があります。

また、解体工事会社は免許の都合上、床や壁などの産業廃棄物は処分できますが、家庭ごみの一般廃棄物は処分できません。

そのため、物件に家財が残っていると、解体工事ができない場合もあります。

そのまま売却する場合も、取り壊す場合も、古い物件を売却する時に家財の撤去は必要となるでしょう。

相続した土地を売却する場合は相続登記を行う

相続した土地を売却する場合は、相続登記をしましょう。

登記とは
  • 土地や建物ごとに所在・面積・所有者・担保の有無(抵当権)などの権利関係を公示する手続きのこと

相続登記をせずに放置をすると、権利関係がますます複雑になります。

相続した不動産は相続人全員の共有状態が続くことになり、次の相続が発生するとさらに相続人が増え続け、手に負えない状態になるでしょう。

また、相続登記は義務となっており、相続が発生してから3年以内にする必要があります。

もし、正当な理由がないのに期間内に相続登記をしないと、10万円以下の過料が科されることもあります。
参照元:法務局|不動産を相続した方へ ~相続登記・遺産分割を進めましょう~

トラブルを避けるためにも、相続登記は必ず行いましょう。

不動産売却時に押さえておきたい3つの注意点

不動産売却前の準備が整ったら、売却活動が始まります。

不動産売却時には、以下の注意点を押さえておきましょう。

  • 複数の不動産会社に一括査定をする
  • 契約書の条件や取引内容は必ず理解する
  • 内覧の前に綺麗にしておく

信頼できる不動産会社を選ぶためにも、複数の会社との比較は必ず行いましょう。

複数の不動産会社に一括査定をする

不動産売却時は、複数の不動産会社に一括査定依頼しましょう。

会社数が多いほどより複数の不動産会社と比較できますが、現実的には3〜5社ぐらいに査定依頼をすることをおすすめします。

最初から1つの不動産会社に限定してしまうと、相場より低い売却価格で売られて損してしまう可能性があります。

だからといって、必ずしも査定価格の高い不動産会社が良いとは限りません。

査定価格が高すぎる余り、売れ残ってしまう可能性が高いです。

査定価格はあくまでも目安であり、そこから購入者からの値下げや周囲の状況などにより、売却価格は変動します。

ただし、不動産売却になると売却益が多額になるため、どうしても査定価格の高い不動産会社を選びたくなる気持ちはわかります。

しかし、実際は不動産会社が買取するのではなく、不動産を購入するのは一般人がほとんどです。

そのため、査定価格が他よりも高い不動産会社は、必ずしも売れるわけではありません。

不動産会社を選ぶ基準として、査定価格が高いからといった理由で選ぶのではなく、自分の売りたい物件を得意としているかに着目してみましょう。

「マンションの売買に強い」「地方の取引実績が少ない」などといった各不動産会社の強みや弱みを分析してみましょう。

こうした事態を防ぐためにも、不動産一括査定サイトの利用がおすすめです。

一括査定サイトを利用すると、複数の不動産会社の査定結果からおおよその相場がわかります。

おすすめの一括査定サイトは次の通りです。

SUUMO一括査定LIFULL HOME’SすまいValueイエウールイエイリビンマッチ
運営会社株式会社リクルート株式会社LIFULL小田急不動産株式会社
住友不動産販売株式会社
東急リバブル株式会社
野村不動産ソリューションズ株式会社
三井不動産リアルティ株式会社
三菱地所ハウスネット株式会社
株式会社Speee株式会社じげんリビン・テクノロジーズ株式会社
設立年2009年1997年2016年2007年2008年2004年
利用者
(推定)
非公開1,000万人以上77万件以上年間20万件以上300万人以上440万人以上
提携している不動産会社数2,000社以上4,556社大手6社(875店舗)2,300社以上厳選1,000社約1,700社
同時査定依頼可能会社数最大10社10社6社6社6社6社
匿名査定の有無無し有り無し無し無し無し
対応エリア全国全国全国(都市部中心)全国全国全国
査定に対応する不動産の種類マンション
一戸建て
土地
一戸建て
マンション
土地投資用(一棟物件)
投資用(区分所有)
倉庫
工場
マンション
一戸建て
土地
一棟マンション
一棟ビル
一棟アパート
戸建て
マンション
土地
投資物件
店舗
工場
倉庫
農地
分譲マンション
一戸建て
土地
ビル一室
一棟マンション
一棟アパート
一棟ビル
工場
倉庫
店舗
事務所
農地

田んぼ
山林
分譲マンション
一戸建て
土地
一棟アパート
一棟マンション
投資マンション(1R・1K)
一棟ビル
区分所有ビル(ビル1室)
店舗
工場
倉庫
農地
特徴掲載物件数がトップクラスのSUUMO上に物件情報を掲載できる同時査定社数が10社と多い大手不動産会社6社に査定依頼ができる不動産会社数No.1
月間利用者数No.1
査定対応エリア数No.1
(参照元:イエウール公式サイト
アンケートの回答で、最大10万円分のAmazonギフトカードがもらえる不動産査定サイト認知度No.1
使ってみたい不動産査定サイトNo.1
(参照元:リビンマッチ公式サイト

一見、不動産一括査定サイトは手間をかけずに複数の不動産会社に一度に査定ができるため便利です。

ただ、以下のようにいくつかの注意点があります。

  • 査定価格が高すぎると売れなくなる
  • 1つの一括査定サイトのみでは情報が足りない
  • しつこく電話がかかってくる

1つのサイトだけに絞ってしまうと情報に偏りが出てしまいます。

情報のばらつきをなくすためにも、先ほど紹介したサイトを複数利用することで、相性の良い不動産会社が見つけやすいです。

契約書の条件や取引内容は必ず理解する

不動産売買契約書類にある条件や取引内容は必ず理解しましょう。

一度締結すると、簡単に解除はできないためです。

「契約書に誤った内容があった!」とならないためにも、契約書類の内容は約束通りに希望に沿っているか確かめる必要があります。

具体的には、以下の点を確認しておきましょう。

  • 売買物件
  • 売却価格
  • 手付金の額と支払期日、手付解除期限
  • 土地の実測と土地代金の精算
  • 所有権の移転と引き渡し期日
  • 付帯設備等の引き継ぎ(引き継ぐ設備、その滅失や破損の対応など)
  • 買主の負担となる権利(抵当権や賃借権など)の抹消
  • 税金の精算
  • 契約不適合責任の範囲と期間
  • 契約違反による解除など
手付金とは
  • 不動産を購入する意思表示のために、買主が売主に支払う金額のこと
  • 原則は現金で支払い、手付金の相場は不動産購入金額の5~10%程度
  • 例えば、売却価格が1000万円の物件の場合、手付金は50〜100万円となる
契約不適合責任とは
  • 買主が契約内容と相違があった場合に、売主に負わせる責任
  • 契約不適合責任を追及されると、修理や代替品納入に追加で費用が発生する場合もある

上記のような内容を隅々まで確認して、疑問点があれば、不動産会社の担当者と相談して解決しておきましょう。

内覧の前に綺麗にしておく

内覧の日が決まったら、事前に物件の掃除や整理整頓を済ませておきましょう。

内覧時に綺麗にしておかないと、内覧者に悪い印象を与え、購入したい気持ちが遠ざかるでしょう。

そのため、物件を綺麗にしておくことは不動産売却する上で大事なことです。

特に、次のような場所は重点的に掃除をしておくことで、買い手への印象が上がります。

その際、不要な家具やごみなどは、処分しておくとスムーズに引き渡しができます。

  • 玄関
  • 水周り
  • キッチン
  • リビング
  • バルコニー

ただし、家全体を掃除すると多くの時間や労力がかかります。

もし、掃除に手間をかけたくない場合は、ハウスクリーニングを業者に依頼すると良いでしょう。

中には、以下のように不動産会社がハウスクリーニングを行ってくれる会社もあります。

ハウスクリーニングを行ってくれる不動産会社

  • 住友不動産販売(無料)
  • 東急リバブル(無料)
  • 三井不動産リアルティ(三井のリハウス)(有料)

なお、これらの会社はすまいValueの提携不動産会社です。

すまいValueは、大手不動産会社6社が運営している不動産一括査定サイトです。

査定から売却後までサポート体制が充実しています。

それぞれの運営会社6社が提供している、査定から売却までのサポート内容の詳細は次の通りです。

社名サービス・サポート名詳細
三井不動産リアルティ(三井のリハウス)360°サポート設備チェック&サポートサービス
建物チェック&サポートサービス
買取サポートシステム
住まいクリーンアップサービス
建物調査
土地調査
住宅設備のメンテナンス
引越し
インテリア
リペアメンテナンスサービス
東急リバブル売却向けサービス建物保証
住宅設備保証
除菌
消臭
水回りブライトニング
埋設物撤去保証
地盤調査保証
リバブル不動産買取
リバブル売却保証
リバブルリースバック
擁壁調査保証
仮測量

床リペアリング
ブライトニングプラス
バーチャルインテリアルーム
CGリフォームイメージ
3Dウォークスルー
プロカメラマン撮影
ホームアレンジメント
カスタム
荷物一時預かり
不用品処分
ルームデコレーション
リバブルアクティブ売却
パッケージ(アクセル君)
リバブルリフォームセレクト
定額制ハウスクリーニング
ユーザーサポートコール
引越し一括見積り
キャッシュレス決済
投資用区分マンション空室
設備保証
シニアの住み替えサロン
プロの「相続×不動産」診断
相続税立替払
申告セカンドオピニオン
住友不動産販売ステップエスコート(売りたいお客様)建物補修
設備補修
戸建クリーン
マンションおそうじ
空地草刈り
壁床ポイントリペア
プロカメラマン撮影
バーチャルステージング
ホームステージング
ルームアレンジメント
住まいの健康度チェック
宅地測量(仮測量)
土地調査【有償】
建物調査【有償】
空家巡回【有償】
買替購入資金立替
相続診断
相続税立替
ステップオークション
野村不動産ソリューションズ売却サポート・買換サポートあんしん設備補修
ホームステージング
ホームクリーンアップ
ハウスクリーニング
荷物一時預かり
リユース回収
あんしん建物補修
あんしん土地診断(土地測量)
あんしん土地診断(埋設物撤去)
土地ステージング
買換保証
つなぎ融資
買取サポート
相続サポート
シニア住みかえサービス
三菱地所ハウスネット住まいリレー(売りたい)建物検査保証
住宅設備検査保証
24時間緊急対応
地盤調査
既存擁壁調査
液状化判定
ハウスクリーニング
リペア
オゾン除菌
脱臭サービス
プロカメラマン撮影サービス
3Dウォークスルー
VRホームステージング
ホームステージングサービス
土地現況仮測量図作製サービス
土地クリーン&メンテナンス
買取サポートサービス
リースバックサポートサービス
インテリアサービス
リフォーム会社紹介
ハウスメーカー紹介
引越し
荷物一時預かり
仮住まいサポート
残置物撤去
税理士紹介
住宅ローン専門相談窓口紹介サービス
相続税
買い替えつなぎ融資
各種保険サービス
ご成約特典
三菱地所のレジデンスクラブ
小田急不動産ソナエアラバ住宅設備機器保証
建物状況調査&既存住宅瑕疵保証
水廻りクリーニング
境界確認
仮測量
24時間緊急駆け付け
リペアサービス
居住中ホームステージング
買取保証制度
つなぎサポート
納税サポート
参照元:三井のリハウス「360°サポート」東急リバブル「売却向けサービス」住友不動産販売「ステップエスコート(売りたいお客様)」野村不動産ソリューションズ「売却サポート」三菱地所ハウスネット「住まいリレー」小田急不動産「ソナエアラバ」

上記の表で詳細の列にある具体的なサポート内容

サポート内容
建物調査
土地の調査
売り手が買い手に対して負う「契約不適合責任*1」への備えのために建物や土地を調査する。
契約不適合責任とは、不動産売買時の契約書に不動産の不備や不良などが明記していなかった場合、買い手から請求があった際に売り手が負う責任のこと。
リースバック*1住宅を売却して現金を得て、不動産会社に賃料を払うことで引き続き住めるサービスのこと。
買取サポート
買取保証
所定の期日以内に売却できなかった場合、不動産会社が事前に提示された金額で買い取ってくれる。
買換保証
つなぎ融資
買替購入資金立替
売り手と買い手が同じ不動産会社に依頼した場合、スムーズに取引ができるように売却代金と購入費用のつなぎをサポートしてくれる。
税理士紹介
納税サポート
住宅の売却に関する税金や法的手続きについて相談できる。
不動産の売却には譲渡所得として確定申告が必要。
*1:参照元:公益社団法人 全日本不動産協会 埼玉県本部「【民法改正】「契約不適合責任」でどう変わる?宅建試験でも注目?」
*2:参照元:国土交通省「住宅のリースバックに関するガイドブック」

もちろん、内覧前の準備もサポートしてくれるため、すまいValueはおすすめです。

不動産を売却した後の注意点

無事に不動産売却を終えても、まだ安心はできません。

不動産を売却できたら、以下のことに注意しましょう。

  • 買主から受け取った手付金はすぐに使用しない
  • 確定申告を行う
  • 税金の申告・納付をする

それぞれ順を追って解説します。

買主から受け取った手付金はすぐに使用しない

買主から受け取った手付金はすぐに使用しないようにしましょう。

場合によっては、買主がローンの審査に通らない可能性があります。

そうなると、不動産購入が難しくなり、一度受け取った手付金を買主に返す必要があります。

ここで、手付金を使ってしまって返せなくなると、トラブルに繋がりかねません。

そのため、買主がローン審査に通り、購入が確実になるまで、手付金を使うのは控えましょう。

確定申告を行う

不動産売却した翌年の毎年2月16日〜3月15日の間に、確定申告を行いましょう。

不動産売却で得た利益はもちろん、3,000万円特別控除などの控除の適用にも確定申告が必要です。

もし確定申告をしないと、無申告加算税と延滞税がかかるので注意が必要です。

無申告加算税

金額税率
50万円まで15%
50万円超~300万円まで20%
300万円超~30%
参照元:国税庁|確定申告を忘れたとき
無申告加算税とは
  • 確定申告を忘れた場合加算される税金
  • 納付する税金は(納付すべき税額)×(税率)で求められる

延滞税

期間納付する税金
納付期限の翌日~2か月以内年7.3%と「特例基準割合+1%」のいずれか低い割合
納付期限の翌日~2か月以上年「14.6%」と「特例基準割合+7.3%」のいずれか低い割合
参照元:国税庁|延滞税の計算方法
延滞税とは
  • 定められた納税期間を過ぎると発生する税金

納付金額が大きいほど多くの税金が発生するため、期間内に確定申告をするようにしましょう。

不動産を売却して損失が出た場合、確定申告は任意ですが、税金対策としてすることをおすすめします。
詳しくは次の章で解説します。

税金の申告・納付をする

不動産売却には、得た所得に対して譲渡所得税がかかり、税金の申告・納付が必要な場合があります。

ただ、納付する税金は抑えることが可能です。

そのためにも、特別控除や軽減税率などの特例を積極的に利用しましょう。

譲渡所得金額の計算式は次のとおりです。

譲渡所得金額の計算式

譲渡所得金額=譲渡価額-取得費-譲渡費用-特別控除

(注1)譲渡価額とは、土地や建物の売却代金などをいいます。
(注2)取得費とは、売った土地や建物を買い入れたときの購入代金や、購入手数料などの資産の取得に要した金額に、その後支出した改良費、設備費などの額を加えた合計額のことです。
なお、建物の取得費は、所有期間中の減価償却費相当額を差し引いて計算します。また、土地や建物の取得費が分からなかったり、実際の取得費が譲渡価額の5パーセントよりも少ないときは、譲渡価額の5パーセントを取得費(概算取得費)とすることができます。
(注3)譲渡費用とは、土地や建物を売るために支出した費用をいい、仲介手数料、測量費、売買契約書の印紙代、売却するときに借家人などに支払った立退料、建物を取り壊して土地を売るときの取壊し費用などです。

参照元:国税庁|No.3211 短期譲渡所得の税額の計算国税庁|No.3208 長期譲渡所得の税額の計算

譲渡所得税に係る特例

特例の通称内容
3,000万円の特別控除譲渡所得金額から特別控除として3,000万円を引ける
10年超物件の軽減税率所有期間10年以上のマイホームで譲渡所得金額にかかる税率が10%になる
買換え特例買い換えたマイホームを将来譲渡するときまで、譲渡益に対する課税が繰り延べられる
マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例一定の要件を満たすと、譲渡損失を不動産売却する年の他の所得から控除(損益通算)ができる損益通算しても控除しきれなかった分は、翌年以降3年内に繰越控除ができる
特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例住宅ローンが残っている場合もマイホームを買い換えた場合と同様な特例が受けられる
参照元: 国税庁|No.3302 マイホームを売ったときの特例国税庁|No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例国税庁|No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例国税庁|No.3370 マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたときの特例国税庁|No.3390 住宅ローンが残っているマイホームを売却して譲渡損失が生じたときの特例

(納付する税金)=(譲渡所得金額)×(税率)

譲渡所得税率

名称所有期間税率
短期譲渡所得税5年以下39.63%
長期譲渡所得税5年超20.315%
参照元: 国税庁|No.3211 短期譲渡所得の税額の計算国税庁|No.3208 長期譲渡所得の税額の計算

このように納付する税金は、取得費・譲渡費用・特別控除を増やすことで、減らすことが可能です。

確定申告時に必要な売買契約書などの関係書類や納税のための資金も、事前に準備しておきましょう。

不動産を売却して損失が出た場合は、「特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」を利用することで、損益通算ができます。
損失が出た分の税金が減らせるので、不動産売却で損失が出た場合もぜひ確定申告を利用してみましょう。

絶対NG!不動産売却でやってはいけない注意点

不動産売却を成功させるにあたって、先ほどの注意点に加えて、やってはいけない注意点も押さえましょう。

不動産売却に失敗しないためにも、以下の注意点に留意して売却活動を行いましょう。

  • リフォームをする
  • 囲い込みに遭いやすい不動産会社を多く選ぶ
  • 説明義務を怠る
  • 適当に媒介契約を締結する

それぞれ順を追って解説します。

リフォームをする

売却価格を上げる目的で、リフォームはしないでおきましょう。

リフォームをすれば売却価格は多少上げられますが、リフォームでかかる費用以上に売却価格を上げることは難しいです。

また、買主の中には中古物件を安く買って、好みに合わせてリフォームをしたいと考えている方もいるでしょう。

そのため、リフォームが必ず売却に有利になるとは限りません。

ただ、日常的に使う箇所での軽微な修繕はしておくと良いでしょう。

以下の不動産会社は所定の条件を満たすことで、補修を行ってくれます。

会社名内容料金
(税込)
住友不動産販売壁床ポイントリペア
壁・床の小さな傷・凹みなどの簡単補修
※専属専任・専任媒介契約(媒介期間3ヶ月間)に限る
無料
東急リバブル壁・床リペアリング
壁や床の傷みを補修
※営業担当が必要と判断した場合のみに限る
無料
三井不動産リアルティ
(三井のリハウス)
住宅設備のメンテナンス
室内ドアの建てつけ調整や水栓パッキン交換、木部の傷みを補修
ペアメンテナンスサービス
建物内の木部や壁紙の傷や剥がれ、建具の不具合などの軽微な補修
22,000円〜

全体のリフォームは避けて、軽微な修繕はしておくことをおすすめします。

囲い込みに遭いやすい不動産会社を多く選ぶ

囲い込みに遭いやすい不動産会社を多く選ばないようにしましょう。

不動産会社は大きく大手と地場の不動産会社にわかれています。

大手不動産会社では、豊富な実績から成約データを多く持っており、正確な査定価格を出すことが可能です。

その上、大手ならではの手厚いサポート・サービスが受けられ、不動産売却の手助けとなります。

一方で、地場不動産会社では、地域密着型の会社が多いのが特徴です。
大手では対応していない地域でも対応している場合があり、大手よりも融通が利きます。
そのため、偏りなく大手と地場不動産会社に査定依頼することが大事です。

ただ、大手不動産会社に不動産売却を依頼すると、両手仲介や囲い込みに遭いやすいです。

両手仲介とは
  • 1つの物件に対して1社の不動産会社が売り手と買い手の双方の仲介をした上で、仲介手数料を得ること
  • 両手仲介は最も多くの報酬が得られるため、多くの不動産会社が目指しているといわれている
  • 両手仲介と対となるのが片手仲介で、売り手と買い手は別々の不動産会社が仲介する
囲い込みとは
  • 自社の顧客からの購入を目指すために、他社に物件を意図的に紹介しない行為
  • 囲い込みをする理由として、他社に紹介すると片手仲介となり、自社にもらえる報酬が減ってしまうため
  • そのため、囲い込みをしてでも、意図的に両手仲介へと持ち込む

大手の不動産会社は顧客を多く抱えており、囲い込みが起きやすい環境です。

他社に物件を意図的に紹介せずに、購入希望や内覧希望も断り、自社の顧客からの購入を目指します。

囲い込みの問題点として、他社から良い条件で売れるにもかかわらず、紹介せずにチャンスを見逃してしまうことです。

この囲い込みを防ぐためには、不動産会社の担当者に仲介に関する質問をするとよいでしょう。

「両手仲介となりますか?」「片手仲介でも問題ありませんか?」などと質問してみましょう。

そうすることで、担当者に不動産売買について理解していることを示すことも可能です。

質問するのに自信は必要ですが、数百万円〜数千万円に及ぶ不動産売却をする以上、緊張感を持った売買活動をしてほしいものです。

そのためにも、上記の質問は有効であることを把握しておいてください。

説明義務を怠る

説明義務を怠ると、契約不適合責任が発生する可能性があります。

もし、契約不適合があった場合は、買主からすると、次のことが請求できます。

  • 追完請求
  • 代金減額請求
  • 催告解除
  • 無催告解除
  • 損害賠償
追完請求とは
  • 目的物の補修、代替物の引渡しまたは不足分の引渡しを請求すること
  • 例えば、雨漏りのない物件にも関わらず雨漏りがあると、買主は雨漏りの修補を請求できる
代金減額請求とは
  • 数量の差異や不適合の度合いに応じて代金の減額を請求すること
  • 例えば、実測面積が公簿面積に満たないとして、その差額の売買代金の減額を請求できる
催告解除とは
  • 買主が追完請求をしたが、売主がそれに応じない場合、買主が催告して定められた期間(通常1週間前後)経てば、契約を解除できること
無催告解除とは
  • 契約の目的が到底達成できない場合、催告なしに直ちに契約を解除できること
損害賠償とは
  • 売主に落ち度がある場合、買主はその損害の補填を請求できること

売主は契約不適合責任が発生しないためにも、物件を隅々まで確認して、説明義務が果たせるようにしましょう。

適当に媒介契約を締結する

不動産売却では、適当に媒介契約を締結することは避けましょう。

これは、不動産売却で失敗や後悔に繋がるおそれがあるためです。

媒介契約の意味を理解した上で、適切な媒介契約を選ぶことが大事です。

媒介契約とは
  • 不動産を売却するために、代わりに不動産会社が買い手を探すよう依頼する契約
  • 媒介契約には「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類がある

3つの媒介契約の特徴

専属専任媒介契約専任媒介契約一般媒介契約
複数の不動産会社と契約できるか?できないできないできる
自分で買主を探して直接取引できるか?できないできるできる
不動産会社から受ける活動報告はどのくらいか?1週間に1回以上2週間に1回以上法令上の定めなし
不動産会社のレインズへの登録義務はあるか?ある場合、期限はいつまでか?媒介契約締結日の翌日から5日以内媒介契約日の翌日から7日以内法令上の定めなし
媒介契約の期間は?(規定されている法律・約款)3ヶ月以内(宅地建物取引業法)3ヶ月以内(宅地建物取引業法)3ヶ月以内(標準媒介契約約款)
参照元:レインズ REINS TOWER|媒介契約制度
レインズとは
  • 国土交通大臣から指定を受けた「不動産流通機構」によって運営されるコンピューターネットワークシステムのこと
  • 宅地建物取引業者だけが閲覧でき、売り手は、売却を依頼した物件の情報のみ確認できる
  • なお、レインズへ登録する期限における日数は、不動産会社およびレインズの休業日は除く

3つの媒介契約のメリット・デメリットとおすすめな人

専属専任媒介契約専任媒介契約一般媒介契約
メリット手厚いサポートやサービスを受けられる地元に顧客を抱えている
不動産会社に依頼することで、いち早く売却ができる
1社にのみ情報の開示が行われ、不特定多数に知られる心配がない
手厚いサポートやサービスを受けられる
1社にのみ情報の開示が行われ、不特定多数に知られる心配が少ない
自分でも買い手を探して直接取引ができる
何社とも契約できるため、いち早く売却ができる
自分でも買い手を探して直接取引ができる
デメリット1社にのみ情報の開示が行われるため、売却までの期間が長引きやすい
自分で直接買い手を探して取引ができない
1社にのみ情報の開示が行われるため、売却までの期間が長引きやすい各不動産会社がさまざまな広告を掲載するため、売却していることを知られやすい
複数の不動産会社と対応する必要があり、手間がかかる
おすすめな人不動産会社からの手厚いサポートやサービスを受けたい人
希望の価格で売却したい人
物件の売却をしていることを知られたくない人
不動産会社からの手厚いサポートやサービスを受けたい人
親戚や知り合いに物件を売却したい人
親戚や知り合いに物件を売却したい人
売却したい物件が好条件で人気物件である人
条件に関わらずいち早く物件を売却したい人

 もし、どの媒介契約にしようか迷う場合は、不動産会社に相談することをおすすめします。

不動産売却を成功させるために|はじめに必要書類を準備しよう

この記事では、不動産を売却する際の流れと不動産売却にあたって注意したいポイントを紹介しました。

不動産を売却する際の流れ

  1. 相場の確認を行う
  2. 一括査定を依頼する
  3. 物件調査を行う
  4. 媒介契約を締結する
  5. 売却活動を始める
  6. 売買契約を結ぶ
  7. 引き渡しをする

不動産売却にあたって注意したいポイント

売却前所有の土地・自宅の状況を調べる
売却相場を把握しておく
不動産売却時に発生する
費用を確認しておく
住宅ローンが残っている場合はオーバーローンに注意する
土地を賃貸している場合は入居者の同意が必要となる
古い物件を売却する場合は家財を撤去しておく
相続した土地を売却する場合は相続登記を行う
売却中複数の不動産会社に一括査定をする
契約書の条件や取引内容は必ず理解する
内覧の前に綺麗にしておく
売却後買主から受け取った手付金はすぐに使用しない
確定申告を行う
税金の申告・納付をする
やってはいけないことリフォームをする
囲い込みに遭いやすい不動産会社を多く選ぶ
説明義務を怠る
適当に媒介契約を締結する

不動産売却をする前に、まずは以下のような書類を準備しておきましょう。

  • 登記簿謄本(あるいは登記事項証明書)
  • 売買契約書(以前の持ち主と交わしたもの)
  • 重要事項説明書(以前の持ち主と交わしたもの)
  • 登記済権利証(あるいは登記識別情報)
  • 土地測量図・境界確認書
  • 固定資産税納税通知書(あるいは固定資産税評価証明書)
  • 物件状況等報告書
  • マンションの管理規約、議事録、長期修繕計画書(マンションの場合)
  • 設備表
  • 本人確認書類
  • 住民票
  • 実印
  • 印鑑証明書

上記のポイントを確認しながら、1つずつ丁寧に準備を進めていけば、きっと不動産売却は成功します。

不動産売却を検討している方は、早速、行動に移してみましょう。

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運営者[不動産売却セレクト編集部]

不動産売却セレクトは、不動産業界など様々な業種にマーケティングDXサービスを提供する株式会社ピアラがコンテンツの管理を行っています。当メディアでは、一般的な不動産売却だけでなく、公有地の売却手続、譲渡費用・損失の税務上の取り扱い、競売物件の情報など幅広い専門知識に基づいた、有益な情報をお届けします。

物件の権利関係や法令上の制限を事前に確認し、関連法規を遵守しながら適切な手続きを進められるよう、不動産売却に関する正しい知識を発信してまいります。

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