不動産査定とは?計算方法や必要な準備を詳しく解説

不動産査定とは

「自宅を売ろうかと思うけど、いったいいくらで売れるんだろう…」
「売るタイミングって、今でいいのかな…」

自宅売却を検討中の方なら、こんな疑問や不安を抱えていることでしょう。

でも大丈夫です。
不動産のプロである筆者が、大切な資産の価値を適正に査定し、最適なタイミングで高値売却を実現する方法をお伝えします。

この記事では、自宅売却を検討中の方に向けて、

  • 不動産査定の重要性と種類
  • 不動産査定を依頼する際の流れ
  • 不動産査定で高く評価されるポイント

上記について、数多くの売却案件を成功に導いてきた筆者の知見を交えながら解説しています。

適正な査定と売却戦略があれば、お客様の新しい人生への一歩を後押しできるはずです。
ぜひ参考にして、自宅売却への不安を解消してくださいね。

当メディアは、不動産取引に関する法律を遵守し、株式会社ピアラ(東京証券取引所スタンダード 証券コード7044)が運営しています。また、宅地建物取引士の資格を有する専門家が監修のもと、不動産競売物件不動産所得不動産登記法などの最新情報も記事内に反映させています。

目次

不動産査定とは?物件の推定売却価格を算出

不動産査定とは、不動産の価値を金額で評価することです。
物件を売却する際に、その不動産がどのくらいの価格で売れるのかを事前に知るために行われます。

売却価格の目安を知ることで、売主様は売却するかどうかの判断材料にできます。
また、売却活動の指標にもなるため、査定は非常に重要だと言えるでしょう。

以下で、不動産査定の具体的な種類と計算方法を詳しく解説していきます。

不動産査定の3つの種類

不動産査定には、大きく分けて3つの種類があります。
それぞれ、査定方法や所要時間が異なるため、目的に合わせて適切な査定を選ぶことが重要です。

ここでは、匿名査定・AI査定、簡易査定・机上査定、訪問査定の3種類について、それぞれの特徴と依頼方法を詳しく解説します。
あなたに最適な不動産査定の方法が見つかるはずです。

最短数秒〜1分の『匿名査定・AI査定』

匿名査定・AI査定は、インターネット上の不動産査定サイトで、物件情報を入力するだけで簡単に査定結果が得られる方法です。
所要時間は最短で数秒から1分程度と非常に短く、24時間365日いつでも利用可能な点が大きな特徴と言えるでしょう。

査定サイトに物件の住所や築年数、部屋数などの基本情報を入力すると、AIが過去の取引事例や周辺相場を分析し、おおよその査定価格を即座に算出してくれます。
匿名で利用できるため、まだ売却を決めかねている段階でも、気軽に査定を依頼できる点がメリットです。

ただし、匿名査定・AI査定はあくまで機械的な計算に基づく概算の査定額であり、実際の売却価格とは異なる場合があります。
物件の詳しい情報や特徴が反映されていないため、精度は高くありません。

「売却価格の目安を手っ取り早く知りたい」
「まだ売却するか迷っているから、とりあえず匿名で査定だけしてみたい」
といった場合に、匿名査定・AI査定は有効活用できるでしょう。
査定結果を参考にしつつ、より正確な価格を知りたい場合は、次に紹介する他の査定方法を検討することをおすすめします。

即日〜数日の『簡易査定・机上査定』

簡易査定・机上査定は、不動産会社の担当者が、物件の基本情報や写真、間取り図などをもとに査定を行う方法です。
インターネットや電話、メールで査定を依頼でき、即日から数日程度で結果を得られるのが特徴です。

匿名査定・AI査定と比べると、物件の詳しい情報を人の目で確認するため、より精度の高い査定が可能です。
担当者が、物件の間取りや向き、日当たりなど、価格に影響する要素を考慮してくれます。
ただし、実際に物件を見ずに査定するため、やはり正確性は訪問査定には及びません。

簡易査定・机上査定の依頼方法は非常に簡単です。
不動産会社のウェブサイトから必要事項を入力したり、電話やメールで問い合わせをするだけでOKです。
必要な書類は、物件の登記簿謄本、間取り図、現況写真など。
これらの資料を用意した上で査定を依頼しましょう。

査定額の参考にしたい、でも時間はあまりかけられないという方には、簡易査定・机上査定がおすすめです。
無料で利用できることが多いので、複数の不動産会社に依頼して査定額を比較してみるのも良いでしょう。
より正確な査定額を知るためには、次に解説する訪問査定を検討しましょう。

1週間〜数週間の『訪問査定』

訪問査定は、不動産会社の査定員が実際に物件を訪問し、詳細に調査した上で査定価格を算出する方法です。
最も精度の高い査定と言えますが、その分、完了までに1週間から数週間程度の時間を要します。

訪問査定の大きな特徴は、物件の隅々まで査定員が直接確認できる点にあります。
部屋の感じ、日当たり、眺望などを実際に体感し、リフォーム状況や設備の程度もチェックします。
また、物件の構造や管理状況、修繕履歴など、より詳しい情報も考慮に入れられます。

こうした入念な調査により、物件の価値を適切に評価できるため、査定の精度は大幅に高まります。
簡易査定などに比べると、査定額が selling price に近くなると言えるでしょう。

訪問査定の流れは、まず不動産会社に査定の依頼をし、日程を調整します。
当日は査定員が物件を訪れ、売主立ち会いのもと約1時間かけて物件を隅々まで調査します。
査定員は物件のチェックポイントを写真に収め、図面なども作成。
後日、それらをもとに詳しい査定報告書を作成し、売主に提出します。

売却価格をできるだけ正確に知りたい方、具体的な売却活動に移る際は、ぜひ訪問査定を依頼しましょう。
査定員との対話を通じて、より具体的なアドバイスを得られるのも大きなメリットです。

最も手間はかかりますが、売却の成功に向けて欠かせないプロセスと言えるでしょう。

不動産査定の3つの計算方法について確認しましょう

不動産査定の計算方法は3つあります。
どの方法を使うかによって、査定結果に差が出ることがあるのです。

適正な売却価格を知るためには、それぞれの計算方法の特徴を理解しておく必要があるでしょう。
ここでは、取引事例比較法、原価法、収益還元法の3つについて詳しく見ていきます。

算出方法1.取引事例比較法

取引事例比較法は、最も一般的な不動産査定の方法です。
近隣で最近売買された類似物件の取引価格を参考にして、査定対象の不動産の価格を算出します。

具体的な手順としては、以下のようになります。

  • 価格形成要因の把握
    査定対象不動産の価格に影響を与える要因を洗い出します。立地条件、建物の築年数、間取り、設備などが該当します。
  • 類似事例の選定
    査定対象不動産と類似した条件の物件を、近隣の取引事例から探します。できるだけ直近の事例を参考にするのが望ましいとされています。
  • 価格の調整
    選定した類似事例の取引価格に、査定対象不動産との相違点を加味して補正を行います。例えば、築年数が古ければ価格を下方修正するなどの調整をします。

このように、実際の取引事例を基にした査定方法であるため、取引事例比較法は説得力のある査定価格を算出できると言われています。
ただし、類似物件の選定や価格調整の際に、査定者の主観が入る余地があることにも注意が必要です。

「同じマンションでも、階数によって価格が違うのはなぜ?」
「駅から遠いと、査定価格はどのくらい下がる?」
取引事例比較法を応用することで、このような疑問にも一定の回答を示せるはずです。
適切に使いこなせば、納得感のある査定額を顧客に提示できるでしょう。

算出方法2.原価法

原価法は、不動産を新しく建てる場合に必要となる再調達原価を求め、そこから築年数に応じた減価を差し引いて不動産の価格を算定する方法です。
土地と建物を分けて評価するのが特徴と言えます。

原価法の計算式は、以下のようになります。

  • 土地の価格
    更地の価格を求めます。近隣の土地の取引事例を参考に、土地の面積や形状、接道条件などを考慮して算出します。
  • 建物の価格
    建物を新築する場合の再調達原価を求めます。建築費や設計料などを合計し、建物の構造や設備の程度を反映させて計算します。
  • 減価修正
    建物の価格に対し、築年数に応じた減価を行います。通常は、耐用年数に占める築年数の割合に基づいて減価額を算定します。
  • 土地建物の合計額
    土地の価格と減価修正後の建物の価格を合計したものが、原価法による査定額となります。

原価法は、不動産の物理的価値に基づいた評価方法と言えます。
特に、古い建物や特殊な不動産の査定に適しているとされています。
取引事例が少ない物件でも、一定の評価額を算出できるのが利点でしょう。

ただし、再調達原価の算定には高度な建築知識が必要とされます。
また、不動産の市場価値を必ずしも反映しない点には注意が必要です。
原価法単独では、適正な査定価格とは言い切れないケースもあるでしょう。
他の評価方法と合わせて活用することで、査定の精度を高められると考えられています。

算出方法3.収益還元法

収益還元法は、不動産から生み出される収益に着目して価格を査定する方法です。
対象不動産が将来的にどれだけの収益を上げられるかを予測し、それを現在の価値に割り引いて算出します。

基本的な計算式は、以下の通りです。

  • 予測収益の算出
    現状や将来の賃料収入、稼働率、経費などを予測します。過去の実績や周辺物件の状況を踏まえて、できる限り客観的に見積もることが大切です。
  • 還元利回りの決定
    予測収益を現在価値に割り引く際の還元利回りを求めます。対象不動産のリスク度合いや市場の動向を考慮して決定します。一般に、利回りが高いほど収益性が良いとされています。
  • 収益価格の計算
    予測収益を還元利回りで割ることで、収益価格を算出します。計算式は以下の通りです。
    収益価格 = 年間純収益 ÷ 還元利回り

収益還元法は、収益用不動産の価値を評価するのに適した手法だと言えます。
アパートやオフィスビル、商業施設など、賃料収入を生む不動産の査定によく用いられています。

ただし、予測収益の算定には不確定要素が多分に含まれます。
市況の変動によって、想定通りの収益が上げられないリスクもあるでしょう。
還元利回りの設定も、査定者の判断に大きく左右されると言えます。

収益還元法の精度を高めるには、入念な市場調査と慎重な予測が欠かせません。
不動産のプロとしての知見を総動員し、顧客に対して説得力のある査定結果を提示していく必要があるでしょう。

「賃料収入が多いほど、査定額は高くなる?」
「空室率が上がると、評価額はどう変わる?」
収益還元法の考え方を理解することで、顧客の素朴な疑問にも的確に答えられるはずです。
収益性の観点から不動産の価値を分かりやすく説明できるのは、プロならではの強みと言えるでしょう。

不動産査定を受ける前に準備しておくこと

不動産査定を受ける前の準備は、査定結果に大きく影響します。
必要な書類を揃え、事前に周辺相場を把握し、物件の魅力をアピールできるよう整理しておくことが大切です。

ここでは、不動産査定を受ける前に行っておくべき具体的な準備について、詳しく解説していきます。
しっかりと下準備をすることで、より高い査定額を引き出せるはずです。

査定に必要な書類を準備しておく

不動産査定を依頼する際は、物件に関する各種書類を予め用意しておくことが求められます。
具体的には、以下のような書類が必要になります。

  • 登記簿謄本
    物件の所有者や権利関係、増改築履歴などが記載された公的書類です。法務局で取得できます。
  • 建物図面
    物件の間取りや設備の配置などを示した図面のことです。新築時の図面や、リフォーム時の図面があれば用意しておきましょう。図面がない場合は、簡単な間取り図を手書きで作成しておくと良いでしょう。
  • 設備のリスト
    物件にどのような設備が付いているかをまとめたリストを作成しておきます。キッチンやバスルーム、トイレ、収納スペースなどの情報を記載しておきましょう。設備の状態やグレードについても、できるだけ詳しく書いておくことをおすすめします。
  • 修繕履歴
    過去に行った修繕工事の記録を整理しておきます。いつ、どこを、どのように修繕したのかを時系列でまとめておくと良いでしょう。修繕履歴は、物件の維持管理状態を示す重要な情報として査定に影響します。
  • 管理費や修繕積立金の明細
    マンションの場合は、管理費や修繕積立金の明細書類を用意しておく必要があります。これらの費用は、物件の管理状態を判断する材料になります。明細は可能な限り詳細なものを用意するのが望ましいでしょう。

以上の書類を事前に揃えておくことで、査定がスムーズに進むはずです。
「書類を探すのに時間がかかって査定が進まない」といった事態を避けられます。
まずは書類の準備から始めて、万全の状態で不動産査定に臨みましょう。

あらかじめ周辺の売買相場を把握しておく

売却予定の物件がある地域の相場を知っておくことは、適正な査定額を判断するために欠かせません。
ご自身の物件と、周辺で売買された物件の価格を比較することで、おおよその査定額が見えてくるはずです。

相場を調べる方法としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 不動産ポータルサイトを活用する
    SUUMOやHOME’Sなどの不動産ポータルサイトでは、エリアごとの相場情報を見ることができます。物件種別や間取り、築年数などの条件を指定して検索すれば、より具体的な相場観がつかめるでしょう。
  • 実際に売買された物件の価格を調べる
    国土交通省の土地総合情報システムでは、実際の取引事例を検索できます。過去1年以内に売買された中古マンションや中古一戸建ての成約価格が地図上に表示されるので、ご自身の物件周辺の相場を知る手がかりになります。
  • 相場マップを参考にする
    不動産会社が提供している相場マップで、売却予定のエリアの相場を確認するのも一つの方法です。駅周辺の物件価格帯がひと目で分かるので、大まかな相場感をつかむのに役立ちます。

ただし、相場はあくまで目安であり、個々の物件の状態によって査定額は大きく変動します。
周辺相場を把握した上で、ご自身の物件の魅力を最大限にアピールすることが重要だと言えるでしょう。
相場との違いを具体的に示せるよう、物件の特徴を整理しておきましょう。

物件の長所をまとめておく

査定額を少しでも高くするためには、物件の魅力を存分にアピールすることが大切です。
ご自身の物件の長所を予めリストアップしておけば、査定員に的確に伝えることができるはずです。

物件の長所としては、例えば以下のような点が考えられます。

  • 立地の良さ
    最寄り駅までの近さや、周辺の利便施設の充実度をアピールしましょう。「駅から徒歩5分以内」「スーパーが近くて便利」など、具体的な表現を用いると説得力が増します。
  • 日当たりや眺望の良さ
    日当たりの良い南向き物件や、眺望の開けた高層階の物件は、明るさや開放感をアピールできます。「リビングに1日中日が差し込む」「窓から公園が見える」など、具体的なイメージを伝えることが大切です。
  • 設備の充実度
    最新の設備が充実している点は大きな魅力です。オートロック、宅配ボックス、ディスポーザーなど、快適性を高める設備をリストアップしておきましょう。「浴室乾燥機で雨の日も楽々」「床暖房であったかい」など、設備の良さを実感してもらえる表現を心がけましょう。
  • リフォームで内装をアップデート済み
    リフォームで内装を更新済みの物件は、その新しさをアピールしましょう。「フルリフォームで設備も一新」「クロスや床材を張り替えたばかり」など、具体的なリフォーム内容を伝えることが重要です。清潔感や機能性の高さを強調できるはずです。

物件の良さを伝える際は、データや写真を活用するのも効果的です。
「駅から徒歩5分」という情報も、地図を用いて「駅から一本道で歩いてすぐ」と説明すれば、より説得力を増すでしょう。
写真を使って「南向きリビングは日当たり抜群」と伝えれば、その明るさが目に見えて分かります。
客観的な資料を用いることで、物件の魅力を余すことなくアピールしましょう。

査定額は物件の印象で大きく左右されます。
ご自身の物件の長所を最大限に引き出せるよう、事前の準備を怠らないことが肝心だと言えるでしょう。

不動産査定を依頼する際の流れ

不動産査定を依頼するには、まずは不動産会社や不動産査定サイトに連絡することからスタートします。
匿名AI査定や簡易査定など、手軽に査定額の目安を知ることができるサービスもあります。

ただし、より正確な査定額を知りたい場合は、不動産のプロによる訪問査定がおすすめです。
現地調査を経て作成される不動産査定書は、売却活動を進める上で重要な資料となるでしょう。

以下では、不動産査定を依頼する際の具体的な流れを、ステップを追ってご説明します。

STEP1.不動産会社や不動産査定サイトで匿名AI査定・簡易査定の依頼をする

不動産査定を依頼する第一歩は、不動産会社や不動産査定サイトに連絡することです。
最近では、匿名で手軽に査定額の目安を知ることができる「匿名AI査定」や「簡易査定」といったサービスも充実しています。

「まずは気軽に査定額を知りたい」
「訪問査定を依頼する前に、おおよその相場を把握しておきたい」
そうした場合に利用するのがおすすめです。

匿名AI査定や簡易査定の依頼方法は、以下のような流れが一般的です。

  • 不動産会社や不動産査定サイトにアクセスする
    まずは、利用したい不動産会社のWebサイトや、不動産査定サイトにアクセスします。「売却査定」や「無料査定」などのページを探してみましょう。
  • 物件情報を入力する
    査定依頼フォームに、住所や築年数、間取りといった物件の基本情報を入力します。多くの場合、氏名や連絡先の入力は不要で、匿名のまま依頼できるのが特徴です。
  • 査定結果を受け取る
    物件情報の入力が完了すると、AI査定なら数秒〜数分、簡易査定なら数時間〜数日程度で、メールやマイページで査定結果を受け取ることができます。

匿名AI査定や簡易査定は、あくまで机上の計算に基づく概算の査定額です。
より正確な金額を知るためには、現地調査を伴う訪問査定が欠かせません。
しかし、売却を検討し始めたばかりの段階では、匿名AI査定などを利用して気軽に査定額の目安を確認しておくと良いでしょう。

STEP2.訪問査定を依頼する

匿名AI査定や簡易査定である程度の査定額は把握できますが、本格的に売却を進めるなら、やはり不動産のプロによる訪問査定が欠かせません。
実際に物件を見てもらうことで、より正確な査定額を知ることができるからです。

「AI査定の金額が妥当なのか確認したい」
「具体的にどの部分が評価されるのか知りたい」
といった場合は、ぜひ訪問査定を依頼することをおすすめします。

訪問査定の依頼手順は、以下のようになります。

  • 不動産会社に連絡する
    査定を依頼したい不動産会社に電話やメールなどで連絡を取ります。「訪問査定を希望する」旨を伝え、日程調整を行います。
  • 必要書類を準備する
    訪問査定の際は、物件の権利関係などを確認するための書類を用意しておく必要があります。具体的には、登記簿謄本、図面、修繕履歴などが挙げられます。
  • 査定当日の対応
    査定当日は、不動産会社の担当者が物件を訪問します。物件の内覧に立ち会い、質問やヒアリングに対応します。査定のポイントや売却のアドバイスを聞いておくのも良いでしょう。

訪問査定は無料で受けられるケースがほとんどです。
まずは気軽に依頼してみることから始めてみてはいかがでしょうか。
ただし、1社だけでなく、信頼できる複数の会社に査定を依頼し、比較検討することが大切です。
各社の査定額や担当者の対応を見極め、納得のいく売却につなげましょう。

STEP3.現地調査をする

訪問査定の核となるのが、不動産会社の担当者による現地調査です。
実際に物件を見て回ることで、机上の査定では分からない物件の特性や状態を詳しくチェックします。

現地調査では、以下のような項目がポイントとなります。

  • 立地や周辺環境
    最寄り駅からの距離、近隣の利便施設、日当たりや眺望など、物件の立地条件を詳しく調べます。周辺の同種物件の販売状況なども踏まえ、市場性を見極めます。
  • 建物の構造や間取り
    建物の構造や間取り、各部屋の配置なども重要なチェックポイントです。物件の特徴を把握し、売りとなる点や改善が必要な点を見抜きます。
  • 内装や設備の状態
    リフォームの有無やメンテナンス状況など、内装や設備の状態をしっかりチェックします。劣化や不具合は、査定額に大きく影響するポイントと言えます。

「自分では気づかなかった物件の魅力を発見してもらえた」
「逆に査定額を下げる要因も指摘してもらえて勉強になった」
現地調査を受けることで、売主もさまざまな気づきを得られるはずです。

ここで得られた情報は、査定書の作成に活かされます。
単なる金額だけでなく、査定の根拠も示してもらえるため、売却戦略を練る上でも重要な材料となるでしょう。
査定額には不動産会社によってバラつきが出るため、複数社の現地調査を受けて、それぞれの視点を参考にすることがおすすめです。

STEP4.不動産査定書の完成

不動産会社による現地調査が終わると、最終的な成果物として「不動産査定書」が完成します。
査定書には、物件の概要や査定金額、その根拠などが詳しく記載されています。

具体的な記載内容は、以下のような項目が挙げられます。

  • 物件情報
    住所、交通アクセス、土地面積、建物面積、間取り、築年数など、物件の基本情報が記載されます。
  • 物件状況
    間取り図や現況写真などを交えながら、現地調査で確認した物件の状況を詳しく説明します。各部屋の使い勝手や設備の状態、リフォーム履歴なども記載されます。
  • 査定金額とその根拠
    不動産会社として算出した査定金額を明示します。さらに、金額の根拠となった類似物件の売買事例や査定ポイントについても詳述します。

「妥当な査定額なのか判断しかねる…」
査定書を見ても、売主にはその内容の適否が分かりにくいもの。
そこで重要になるのが、不動産会社からの丁寧な説明です。

査定書の内容を詳しく解説してもらい、疑問点はしっかり質問して納得することが大切です。
査定額や売却見込みについても、担当者の見解を聞いておきましょう。
その上で、他社の査定書とも見比べて、総合的に判断することが賢明だと言えます。

不動産査定書は、売却活動を進める上で「ありのままの物件価値」を示す重要な拠り所となります。
ただし、あくまで売却価格の目安であって、必ずその金額で売れるわけではないことは肝に銘じておきましょう。
市況の変化によって査定額は変動するため、売却までに時間が空く場合は改めて査定を受け直すことも視野に入れましょう。

不動産査定の結果が出るのはいつ?要する時間

不動産査定を依頼してから結果が出るまでの時間は、査定方法によって大きく異なります。
一般的な目安として、AI査定や机上査定なら即日〜数日程度、訪問査定なら1週間〜2週間程度が結果が出るまでにかかる時間と言えるでしょう。

ただし、物件の規模や査定を依頼する不動産会社の状況によっても、結果が出るまでの時間は変動します。
迅速に査定結果を知りたい場合は、事前に不動産会社に問い合わせるなどして、おおよその所要時間を確認しておくことをおすすめします。

以下では、それぞれの査定方法ごとに、より詳しい所要時間の目安と注意点を解説していきます。

AI査定・机上査定の場合は最短即日〜3日程度で結果が判明

AI査定や机上査定は、不動産会社に物件情報を提供するだけで査定額のおおよその目安が分かる手軽な方法です。
インターネット上の査定フォームに必要事項を入力するだけで、AIが自動的に類似物件の取引事例などを分析し、概算の査定額を算出してくれます。

机上査定の場合は、経験豊富な不動産営業マンが物件情報をもとに机上で査定額を算出します。
いずれの方法でも、最短では即日〜2〜3日程度で結果が出ることが一般的です。

ただし、AI査定や机上査定はあくまで概算の査定額に過ぎないことには注意が必要です。
詳細な現地調査を伴わないため、実際に売却する際の価格とは差が出る可能性が高いのです。

とはいえ、手軽に不動産査定の目安を知りたい場合には、AI査定や机上査定は非常に便利なツールと言えるでしょう。
「まずは大まかな査定額を知りたい」「すぐに結果が欲しい」といったニーズには適しています。

訪問査定を依頼した場合の結果は1〜2週間程度で出る

売却予定の不動産の正確な査定額を知るためには、不動産会社による訪問査定が不可欠です。
訪問査定では、不動産のプロが実際に物件を訪れて間取りや設備、築年数などを詳しくチェックします。

立地条件や周辺環境なども含めて総合的に判断し、より正確な査定額を算出してくれるのが訪問査定の最大のメリットです。
ただし、その分だけ査定結果が出るまでには、ある程度の時間がかかるのも事実です。

一般的に、訪問査定を依頼してから結果が出るまでには1週間〜2週間程度の時間を要するとされています。
不動産会社の営業マンのスケジュールを調整する必要があるため、日程の設定に数日かかるケースは珍しくありません。

また、広大な土地や大規模なビルなど、査定に時間のかかる物件の場合は、さらに日数を要することもあります。
査定の現場でより詳細な調査が必要になれば、その分だけ査定結果が出るまでの時間も長引く傾向にあるのです。

とはいえ、正確な査定額を知るためには訪問査定が欠かせません。
売却価格に大きく影響するため、多少時間がかかっても訪問査定を受けておくことをおすすめします。

査定結果が出るまでの時間を早めるための工夫

「少しでも早く査定結果が欲しい」という場合は、査定依頼の際に以下の点に気をつけると良いでしょう。

  • 複数社に一括査定を依頼する
    AI査定に強い会社、訪問査定に定評のある会社など、得意分野の異なる不動産会社に同時に査定を依頼することで、トータルの査定時間を短縮できる可能性があります。
  • 事前に必要書類を準備しておく
    物件の登記簿謄本、図面、修繕履歴などの書類は、できる限り事前に用意しておきましょう。査定に必要な書類が揃っていると、スムーズに査定を進められます。
  • 日程調整に柔軟に対応する
    訪問査定の日程は、なるべく不動産会社の都合に合わせるように心がけましょう。営業マンのスケジュールに合わせられれば、より早いタイミングで査定を受けられる可能性が高まります。

以上の点を押さえておけば、査定結果を早めに入手できるはずです。
ただし、いくら早く結果が欲しいからといって、拙速に査定を進めるのは禁物です。

じっくりと時間をかけて、納得のいく査定額を引き出すことが何より大切だと言えるでしょう。
焦らずに、適切な査定を受けられるよう心がけることが肝要です。

不動産査定におすすめの一括査定サイト

不動産査定

不動産を売却したいと考えているあなたにとって、まず重要なのが不動産査定を依頼することです。
でも、どの不動産会社に頼んだらいいのか迷ってしまうかもしれません。

そんな時におすすめなのが、複数の不動産会社に一括で査定依頼ができる不動産査定サイトです。
ここでは、筆者が実際に使用して便利だと感じた不動産一括査定サイトを5つ厳選してご紹介します。

HOME4U

項目内容
会社名株式会社NTTデータスマートソーシング
サービス名HOME4U
サービス内容不動産一括査定、引越し見積もり、リフォーム見積もり、ホームインスペクションサービス
対応エリア全国
設立年2013年
運営会社所在地東京都江東区豊洲3-3-9 豊洲センタービルアネックス4F
メールアドレスinfo@home4u.jp
公式サイトURLHOME4U公式サイト
提携不動産会社数約1,800社
一括査定申し込み件数累計100万件以上
主な特徴複数の不動産会社に一括で査定依頼が可能、高い査定精度、安全な個人情報保護
利用料金無料

HOME4Uは、大手不動産会社から地元密着型の不動産会社まで、約1,800社以上が登録している不動産一括査定サイトです。
特徴は、AIを活用した査定機能にあります。

物件情報を入力すると、過去の取引事例などのビッグデータをAIが解析。
その場で査定価格の目安を算出してくれるので、今の自宅がいくらで売れるのかが、すぐにわかるのです。

もちろん、詳しい査定を受けたい場合は、登録会社の中から最大6社まで見積もり依頼ができます。
48時間以内に査定結果の返答があり、スピーディな対応も魅力の一つと言えるでしょう。

「忙しくて時間がないけど、少しでも高く売りたい」
そんな方にこそ、HOME4Uの一括査定サービスはおすすめです。
手間をかけずに、自宅の価値を知るいい機会になるはずです。

SUUMO

項目内容
会社名株式会社リクルート
サービス名SUUMO
サービス内容不動産一括査定、賃貸・売買物件検索、リフォーム情報
対応エリア全国
設立年1999年
運営会社所在地東京都千代田区丸の内1-9-2
メールアドレスinfo@suumo.jp
公式サイトURLSUUMO公式サイト
提携不動産会社数非公開
一括査定申し込み件数非公開
主な特徴幅広い物件情報、信頼性の高い査定、豊富なユーザー口コミ
利用料金無料

SUUMOは、リクルート運営の不動産情報サイトとして知られています。
中古マンションや一戸建ての売買物件の掲載数は業界トップクラスで、多くの人が利用するサイトです。
そのSUUMOでは、一括査定サービスも提供されています。

SUUMOの一括査定の強みは、提携している不動産会社の数の多さです。
なんと2,000社以上もの売却仲介会社が登録されているため、大手から地域密着型まで幅広い会社の査定を受けられます。
メガバンク系の不動産会社も登録されているので、安心感があるのも特徴です。

査定依頼の手順は簡単で、物件種別や住所、築年数などの基本情報を入力し、依頼先を選択するだけ。
最短60秒程度の入力で、簡単に一括査定の依頼ができます。

「できるだけ多くの会社の査定を比較したい」
「知名度の高い不動産会社にも依頼したい」
そんな希望をお持ちなら、SUUMOの一括査定サービスを利用してみてはいかがでしょうか。
比較検討する機会を増やすことで、売却活動がスムーズに運ぶかもしれません。

すまいValue

項目内容
会社名大手不動産6社共同運営
サービス名すまいValue
サービス内容不動産一括査定サービス
対応エリア全国
設立年2016年
運営会社所在地東京都千代田区丸の内1-9-2
メールアドレスinfo@sumai-value.jp
公式サイトURLすまいValue公式サイト
提携不動産会社数6社(住友不動産、三井のリハウス、東急リバブル等)
一括査定申し込み件数非公開
主な特徴大手不動産会社の査定、安心の査定結果、高い信頼性
利用料金無料

すまいValueは、大手不動産6社が共同運営する一括査定サイトです。特徴は、提携会社の質の高さにあります。

すまいValueに登録している不動産会社は、全国約1,000社。
その中には、三菱地所ハウスネットや野村不動産アーバンネットなど、大手不動産会社も名を連ねています。
実績と信頼性の高い会社の査定を受けられるのは、売主にとって大きなメリットと言えるでしょう。

また、査定を依頼したい会社が3社まで指定できるのも、すまいValueならではの特徴です。
気になる会社がある場合は、優先的に査定を受けるチャンスが広がります。

「一括査定を受ける不動産会社は厳選したい」
「大手に査定してもらいたい」
そう考えている方は、ぜひすまいValueを検討してみてください。
信頼できる会社選びのサポートになってくれるはずです。

HOME’S

項目内容
会社名株式会社ライフル
サービス名HOME’S
サービス内容不動産一括査定、賃貸・売買物件検索、引越し見積もり、リフォーム情報
対応エリア全国
設立年1997年
運営会社所在地東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー
メールアドレスinfo@homes.co.jp
公式サイトURLHOME’S公式サイト
提携不動産会社数非公開
一括査定申し込み件数非公開
主な特徴幅広い物件情報、豊富な口コミ、詳細な物件情報
利用料金無料

HOME’Sは、不動産情報サイトの中でも知名度が高いサービスの一つです。
全国の物件情報を幅広く掲載しており、多くのユーザーに利用されています。
実はHOME’Sでは、一括査定サービスも展開しているのです。

HOME’Sの一括査定は、提携する約1,800社の不動産会社から最大6社まで査定を依頼できます。
会社選びは、HOME’S側でおすすめの会社をピックアップしてくれるため、選択に悩む心配がありません。

依頼フォームの入力は最短1分で完結。
後は査定結果を待つだけなので、忙しい人でも気軽に利用できます。
2営業日以内に結果が届くので、スピーディに査定価格を把握できるのも嬉しいポイントです。

「不動産会社選びは任せたい」
「査定依頼の手間はできるだけ省きたい」
こんな希望があるなら、HOME’Sの一括査定サービスはうってつけです。
面倒な手続きをサポートしてもらいながら、価格査定を受けられるでしょう。

イエウール

項目内容
会社名株式会社Speee
サービス名イエウール
サービス内容不動産一括査定サービス
対応エリア全国
設立年2007年
運営会社所在地東京都港区六本木1-9-10
メールアドレスinfo@ieul.jp
公式サイトURLイエウール公式サイト
提携不動産会社数約1,800社
一括査定申し込み件数累計100万件以上
主な特徴複数の不動産会社に一括で査定依頼が可能、高い査定精度、安全な個人情報保護
利用料金無料

イエウールは、不動産一括査定サイトの中でもかなり利用者数が多いサービスです。
大手から地域密着型まで、全国1,000社以上の売却仲介会社が登録されているのが特徴です。

イエウールの査定依頼フォームは、とてもシンプルでわかりやすい作りになっています。
必要な情報を最小限に絞っているので、PCが苦手な人でも簡単に入力ができます。
査定結果は最短30分程度で連絡が来るので、スピード感も抜群です。

「操作に自信がないから、簡単な査定依頼フォームが良い」
「少しでも早く査定額を知りたい」
イエウールなら、そんな要望にもしっかり応えてくれるはずです。
直感的に使える査定サイトを探している人におすすめと言えます。

以上、不動産一括査定サイトの中でも、特におすすめの5サービスをご紹介しました。
もちろんどのサイトも無料で利用できるので、複数のサイトで査定を依頼してみるのもいいかもしれません。
総合的に比較検討することで、自宅の適正価格が見えてくるはずです。

自分に合った不動産一括査定サイトを見つけて、少しでも納得のいく価格で売却できることを願っています。
査定結果を参考にしながら、理想的な売却を目指してみてくださいね。

不動産査定でよくある質問

不動産を売却する際に、査定についての疑問や不安を感じる方は多いでしょう。
ここでは、不動産査定でよく寄せられる質問について、一つ一つ丁寧に解説していきます。

査定の費用や方法、注意点などを理解することで、自信を持って不動産売却に臨めるようになるはずです。
あなたの大切な資産を、最適な方法で売却するためのヒントが見つかるかもしれません。

それでは、具体的な質問とその回答を見ていきましょう。

不動産査定は匿名査定も簡易査定も無料でできる?

結論から言えば、ほとんどの場合、不動産査定は無料で受けられます。
不動産会社は売主から物件を獲得することで利益を得るビジネスモデルなので、査定を無料で行うことが一般的だからです。

よく利用される査定の種類と、それぞれの特徴は以下の通りです。

  • 匿名査定(AI査定)
    インターネット上で、物件情報を入力するだけで概算価格がわかる査定方法です。1分程度で気軽に利用でき、匿名で査定できるメリットがあります。ただし、正確性には限界があるため、本格的に売却を考える場合は、他の査定方法と併用することをおすすめします。
  • 簡易査定(机上査定)
    不動産会社の営業担当者が、物件の基本情報から机上で査定価格を算出する方法です。訪問査定よりも手軽に利用でき、即日〜数日程度で結果が出ます。ただし、実際に物件を見ていないため、査定額は参考程度と考えた方が良いでしょう。
  • 訪問査定
    不動産のプロが実際に物件を訪問し、詳細な調査を行った上で査定価格を算出する方法です。最も正確性が高い反面、日程調整や立ち会いが必要なため、手間と時間がかかります。売却を本格的に検討する段階になったら、複数の会社に訪問査定を依頼することが大切です。

これらの査定方法は、通常は無料で利用できます。
ただし、物件の権利関係が複雑な場合や、鑑定評価を依頼する場合など、例外的に費用が発生することもあります。

査定依頼の際は、必ず「査定は無料で行っているか」を確認しておくと安心です。
多くの会社は査定費用を無料としているので、費用を請求された場合は注意が必要かもしれません。

不動産を少しでも高く売却するためには、まずは気軽に査定を依頼してみることが大切です。
匿名査定や簡易査定を賢く活用し、売却の目安を立てることから始めてみてはいかがでしょうか。

不動産査定にデメリットはある?

不動産査定は、売却価格の目安を知るために欠かせないプロセスです。
しかし、メリットばかりではなく、いくつかのデメリットもあることを理解しておく必要があります。

以下のような点が、不動産査定の主なデメリットと言えるでしょう。

  • 査定額はあくまで「目安」
    査定額はあくまで不動産会社の担当者による「評価額」であり、絶対的なものではありません。経験や考え方によって、会社ごとに査定額が異なることも珍しくありません。査定額通りに売却できるとは限らないため、目安として捉えることが大切です。
  • 低い査定額にがっかりするかも
    思っていたより査定額が低くて、落胆してしまう可能性もあります。不動産会社は売却を前提に査定するため、市場価値よりも低めの価格を提示することがあるからです。ただし、査定額が低いからといって必ずしも売却できないわけではありません。
  • 売却活動の依頼を強く勧められるかも
    査定を依頼すると、不動産会社から売却活動の依頼を強く勧められるかもしれません。その場で契約を迫られたり、しつこい営業を受けたりして困ってしまう方もいます。査定のみを依頼する場合は、事前にその旨を伝えておくことが大切です。
  • 査定のために手間と時間がかかる
    特に訪問査定の場合は、日程調整や立ち会いなど、一定の手間と時間が必要になります。物件の場所が遠方の場合は、不動産会社から交通費を請求されることもあります。簡易査定や匿名査定など、手軽な方法を上手く活用することでこの手間を省けます。

このようなデメリットはありますが、適正価格で不動産を売却するために査定は欠かせません。
デメリットを理解した上で査定に臨み、複数の不動産会社の査定を比較検討することが賢明だと言えます。

1社の査定額に一喜一憂するのではなく、客観的に判断することが大切です。
ローン残債など売主の事情を踏まえつつ、総合的に売却価格を検討していくことが望ましいでしょう。

時には専門家に相談しながら、最良の選択を見極める冷静さも必要かもしれません。
不動産査定のデメリットを意識しつつも、前向きに売却活動を進めていくことが肝要です。

不動産査定の結果が高すぎる場合は注意が必要?

不動産査定で、思った以上に高い金額を提示されると嬉しくなるものです。
しかし、査定額が周辺相場と比べて明らかに高すぎる場合は、注意が必要かもしれません。

以下のようなケースでは、慎重に検討する必要があります。

  • 過大な査定額で売却を急がせようとしている
    不動産会社の中には、過大な査定額を提示することで売主を釣り、早期の売却契約を急がせようとする業者もいます。しかし実際の売却価格は査定額より大幅に下がることが多く、結果的に売主が不利益を被るケースもあります。
  • 査定額と実売価格が乖離している
    その不動産会社の過去の売却事例を見ると、査定額と実際の売却価格が大きく乖離していることがあります。査定額が高すぎて売れ残ったり、大幅な値下げを迫られたりするリスクを考慮する必要があるでしょう。
  • 周辺相場から大きく外れている
    近隣の同様の物件の売買実績と比べて、査定額が異常に高い場合は要注意です。適正価格から大きく外れた物件は、なかなか買主がつかない可能性が高くなります。結果的に売却までに時間がかかり、その間の維持費や機会損失が発生するかもしれません。

したがって、1社だけの査定結果を鵜呑みにするのは危険だと言えます。
複数の不動産会社に査定を依頼し、それぞれの査定根拠をしっかりとヒアリングすることが大切です。

また、過去の売買実績や近隣物件の相場とも比較して、客観的に判断することが求められます。
必要に応じて、不動産鑑定士など専門家の意見を参考にするのも良いでしょう。

高すぎる査定額に惑わされず、適正な価格で売却することが売主の利益につながります。
目先の高額査定に飛びつくのではなく、長期的な視点で検討することが賢明だと言えるでしょう。

少しでも不安を感じたら、信頼できる不動産のプロに相談してみることをおすすめします。
冷静に売却戦略を立てることで、満足のいく不動産売却を実現できるはずです。

不動産査定費用がかかる場合もある?不動産鑑定とは?

通常、不動産会社による査定は無料で行われます。
しかし、より正式な価格の算出を望む場合は、「不動産鑑定」を依頼する必要があります。その際は、一定の費用が発生します。

不動産鑑定とは、不動産鑑定士と呼ばれる国家資格者が、専門的な知識と経験に基づいて不動産の価値を判定することです。
主に以下のような目的で利用されます。

  • 売買や賃貸借の際の適正価格の算出
  • 担保価値の評価(銀行融資の際など)
  • 税務署に提出する評価(相続税や贈与税の算出など)
  • 企業の不動産資産の時価評価
  • 収用や立ち退きに伴う補償金の算定

不動産鑑定の費用は、物件の種類や規模によって異なります。
戸建て住宅で20〜30万円程度、マンションで15〜25万円程度が目安とされています。

また、簡易的な鑑定である「価格調査」や「簡易評価」なら、より低コストで依頼できます。
ただし、これらの簡易的な評価は、正式な不動産鑑定とは異なり、法的な効力はありません。

不動産鑑定を依頼する際は、目的に応じて依頼内容を明確にし、適切な鑑定方法を選ぶことが大切です。
また、鑑定費用が高額になる場合は、売却価格への上乗せを検討したり、買主と費用を折半したりする交渉も可能かもしれません。

通常の売買で不動産鑑定が必須というわけではありませんが、特殊な物件や高額物件の場合は鑑定を依頼することで、売却価格の妥当性を担保できます。

金銭的な余裕があれば、不動産会社の査定に加えて不動産鑑定を依頼するのも選択肢の一つです。
ただし、コストと対価を考えて、本当に必要なケースに限定することが賢明でしょう。

査定だけでなく、不動産鑑定という選択肢があることを覚えておくと、売却活動の幅が広がるかもしれません。
状況に応じて適切な査定方法を選び、納得のいく売却価格を追求していきたいものですね。

まとめ:不動産査定で高値売却を実現しましょう

今回は、自宅の売却を検討中の方に向けて、

  • 不動産査定の重要性と種類
  • 不動産査定で高く評価されるポイント
  • 不動産一括査定サイトのおすすめ

上記について、数多くの売却案件を成功に導いてきた、筆者の経験を交えながらお話ししてきました。

不動産査定は売却成功の鍵を握る重要なプロセスです。
適正な査定によって市場価値を把握し、適切な売却価格を設定することが、スムーズな売却につながります。
プロの目線で物件の魅力を最大限に引き出すことで、高値での売却を目指せるのです。

これまで不動産査定について調べ、売却への一歩を踏み出そうとしているあなたを、心から応援しています。

運営者[不動産売却セレクト編集部]

不動産売却セレクトは、不動産業界など様々な業種にマーケティングDXサービスを提供する株式会社ピアラがコンテンツの管理を行っています。当メディアでは、一般的な不動産売却だけでなく、公有地の売却手続、譲渡費用・損失の税務上の取り扱い、競売物件の情報など幅広い専門知識に基づいた、有益な情報をお届けします。

物件の権利関係や法令上の制限を事前に確認し、関連法規を遵守しながら適切な手続きを進められるよう、不動産売却に関する正しい知識を発信してまいります。

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